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ブレイズオブデスティニー 炎の誓い 第1章 再び燃え上がる炎

火花がキラリと空高く舞い上がった。シアラは静かに息を吸い、ゆっくりと炎を口元に集める。赤紫色に輝く小さな炎の玉が、彼女の手のひらに宿った。

「さぁ、行くよ」

穏やかな微笑みを浮かべ、シアラは炎を放ち、空中で羽ばたく鳥のように舞うさまざまな形の炎を作り出した。
シアラは2000歳になるエルフで、シルヴァンドールの街グリーンヘイブで長く隠居生活を送っていた。かつてシアラは冒険者として活躍し、小さな悪とも戦ってきた。しかしその力を封印し、人知れず日々を過ごしていた。

「本当はまだ使いたい。この力を」

シアラは小さくつぶやき、自分の手のひらを見つめた。かつて大切な人を守るために炎の力を使った。その時の誓いを、今も忘れることはなかった。
「でも...」
隠居を決めた理由があった。平穏な生活に疲れは感じなかったが、なんとなく物足りなさがあった。火種はまだ心の奥底で温まっているように思えた。
そんな折、世界中に不気味な影が忍び寄ってきた。
「ダークグローム」それが脅威の名である。邪悪な魔力に呑まれ、かつて倒したはずの小さな魔物が甦り始めた。

シアラは呆然とその知らせを聞いた。我が世の春を過ごしたグリーンヘイブの街は、今や魔物たちの脅威に晒されている。

「せっかくの隠居生活だが......このまま静観していいのだろうか」
シアラは迷いながらも立ち上がった。封印していたはずの炎が、新たに燃え上がったような気がした。

街を取り巻く深い森の中で、シアラは魔力の波動を感じ取る。邪悪なオーラが森全体を覆っている。遠くに巣食う魔王の影響だろう。

「邪悪な者たちよ、お前たちの悪事もここまでよ!」

シアラは大きく息を吸うと、指先から炎の稲妻を放った。赤い閃光が森の樹々を駆け抜けていく。

新たなる力が目覚めた。封印を解いたシアラの炎は、猛火のように燃え盛っていた。

シアラが放った炎の閃光は、森の奥で輝きを増し、大きな火炎壁となって立ちはだかった。

「これが...私の炎の力か」
久方ぶりに解き放たれた力に、シアラ自身も驚いている。手のひらに宿った小さな火花が、これほどまで成長したのだ。

「邪悪な者たちよ!覚悟はいいか!」

声に力を込めるシアラ。火炎壁を後ろに控え、彼女は封印を解いて以来初めての戦いへの覚悟が整っていた。

「グウォォォォ!」

炎の向こう側からモンスターたちの吠え声が響く。その数、少なくとも十匹は居る。鋭い爪を持ち、赤い目をした醜悪な姿の魔物たちが、シアラをにらみ付けている。

「よぉーし!かかって来い!」

シアラの戦いの火蓋が切って落とされた。こうして静寂の隠居生活にピリオドが打たれ、新たな一歩が踏み出される。

ここに炎の魔法使いシアラの冒険が、はじまる。

「消えろ!」

シアラが大きく鎌を振るう。赤々とした炎で出来た大鎌が描く軌跡が、モンスターの群れに向かって迫っていく。

「グギャアア!」

数体のモンスターが鎌の炎に触れ、悲鳴を上げて焼け落ちる。引き裂かれたかのような傷から黒い煙が噴き出し、倒れていく。

「まだまだ!燃えろ、燃えろ!」

シアラの憑依したような叫びとともに、炎の鎌が更に大きく豪快な振り回しを見せる。周囲の木々も巻き込み、猛火の炎が森全体を蹂躙していく。

「これでどうだ!レイジングフレイムスラッシュ!」

シアラの漲る戦闘感と興奮。モンスターを斬り刻む鎌と化した炎は、まるでシアラの感情そのものであるかのように、限りなく燃え盛っていた。
鎌の炎で蹴散らされたモンスターの群れ。しかし、まだ十体ほど生き残った魔物たちがシアラを取り囲んでいる。

「しつこいやつらだ」

油断はできない。シアラは鎌を構え、周囲のモンスターたちをにらみつける。

その隙に、シアラの背後からモンスターの一匹が飛び掛かってきた。

「っ...!」

危うくシアラが反応しきれずにかすったところで、炎の鞭がモンスターの体を捉えた。

「焦るな、シアラ。自分を信じろ」

シアラは鞭の主である自分の炎に励まされ、落ち着きを取り戻す。そう、唯一無二の強さであるはずの自分の力を、信じるのだ。

「消え去れ!」

放たれた大量の炎の球が、周囲のモンスターを纏い尽くす。悲鳴と共に焼け落ちていったその姿が、新たな伝説の幕開けを告げている。

焼け野原と化した森の中で、シアラは自分の力に満足げな笑みを浮かべている。
鎌の炎を放ち、両手を大きく広げる。赤紫色に輝く炎がシアラの全身を包み込み、やがて人の形をした火の玉となった。

「これからはこの力で、世界を救ってみせる」

火の玉は夜空へと高く昇っていき、遠くの地平線を目指して飛んでいった。

シアラは空高く燃え盛る炎と化し、長らく括り隠していた自分の力を解き放った。
こうしてシアラの新たなる旅が始まった。邪悪な存在ダークグロームを倒し、この世から暗黒の脅威を払うために。そしてかつてとった誓いを果たすべく、これからも赤紫色に輝く炎は燃え続ける。

第2章に続く

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キャラクター

シアラ (主人公): 年齢: 2000歳 種族: エルフ 性格: 明るく、勇敢で炎の魔法の使い手 出身国: シルヴァンドール 出身街: グリーンヘイブ 背景: シルヴァンドールのグリーンヘイブで育ち、元々は人々のために活躍していたが、隠居生活を送っていた。 特技: 炎の変身: シアラは炎の力で変身し、強大な力を発揮することができる。武器は炎の鎌。得意技は炎の斬撃ことレイジングフレイムスラッシュ

見た目は16歳くらい ババアと言われるとキレる

性格が正反対の姉がいる

シアラ

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