思いもよらぬ所で見つかる

思いもよらぬところから、思いもよらぬものが出てくる。そんなことが最近立て続いている。

昨日はピアスのキャッチをなくした。

急いでて、走ろうとしたら風が立って、帽子の紐がピアスを弾いた。落としたピアスは見つかったけど、キャッチはどこにもない。

「ああ、またやってしまった」

落とし物と共に落下した心を引きずりながら、新しいキャッチを買った。


夜、お風呂場の排水溝にキラッと光るものを見つけた。なくしたピアスのキャッチだった。

「なぜ、こんなところに…？！」

髪に絡まったのか、服に入り込んでいたのか、とにかく、キャッチは風呂場で見つかった。



しばらく前から、旅の写真が行方不明疑惑が出ていた。家族4人の大引越しのせいで、どこかに雲隠れしていたのだった。

私の15年の旅の歴史かつ作品が行方不明というのは、人生を根幹から切り崩されるほどの衝撃…


激しく落ち込むわ、病んだ母に相手されずに子供は荒れるわ泣くわ、てんやわんやの大捜索の結果、自宅ではなく、オフィスで夫が発見してくれた。


「おお、我が子よ！
　そなたを切に求めておったぞ！！！！」

と、感動もひとしお、しかしどういうわけか、昨日に続いて思いもよらぬところに探し物があったのである。



ペンケースが行きつけのシガーバーで見つかったり、写真捜索中、うちのボーイ・おちびのすけが大好きだった絵本が手紙をまとめた袋から出てきたり、

「ああ、こんなところにあったのか。これじゃどんなに探してもわからんわけだ」


ということが、どうも頻繁に起きている。




このところ、自分を取り戻していく感覚が強まっているのだけど、そのうちなくした心も思いもよらぬところから見つかるのだろうか。

なくした心が戻ってきた時、自分はどんな反応をするのだろう。

キャッチもペンケースも新しいものを買ってしまったし、おちびのすけはその絵本を卒業する年になってしまった。



「あー、今はもう、必要じゃなくなったんだよね」

って、少し残念な気持ちになるのだろうか。

あるいは、

「おお、我が子よ！！」

みたいな気分になるのだろうか。


いずれにせよ、謎が少し解けた気分と、何かを回復したような気持ちは待っているだろう


私はわたしを、再発見したい。

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