我錯乱するゆえに、我あり

私は己が改めて俗物であることを知るが
超一流の俗物としてシラを切る。
品位と幸福の相関関係を考える。
分かれ道に立たされた時
人がどちらに進むかは運命論として
すでに決定づけられているのだ。
欲望が満たされる前に
欲望が満たされた後を体感ができたら
どれだけ過ちを犯さずにすむだろう。
願望が満たされる前に
願望が満たされた後の気持ちになれたら
どれだけ無意味なことをせずにすむだろう。
焦ることなく目的地に
たどり着くことがどれだけ難しいか。
相互補完を確立しよう。
君が必要だ。
来世理論の一部も取り込んで
君の夢も丸呑みにする。
人生は一度きりだから。
君は君なりの天才を演じきれ。
私には投資家の指南書は必要ない。
芸術家の苦悩に満ちた日記で十分だ。
本命のチョコレート・ドアを
溶けるまで待つ私は
影のど真ん中でひざまずく
君を救えるのだろうか。
悪あがきを止めた私は
月日が流れて強くなった。
しかし錯乱は続くのだ。
君思うゆえに、我錯乱する。
我錯乱するゆえに、我あり。

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