ヘタレとして生きる超現実珍談士

テビレでキョーフを感じて
シマニュエル夫人である。
ものまね芸人をしている方の
私生活を垣間見る番組だった。
もう何日も飯を食っておらず
電気も携帯も止められていると言っていた。
10代で上京したばかりの
バンドマンとか俳優とかなら
そういうものかーと思えるのだが
その方は40代であった。
過去に売れた時期があったらしく
その時は羽振りが良かったとも言っていた。
そしてさらなるキョーフが私を襲った。
その方は自分を激励する言葉を書いて
家の壁に貼っていた。
細かい内容は一切忘れてしまったが
「自分は絶対出来る!」
「諦めなければきっと夢は叶う!」とか
そんなようなことを書いていた。
眩暈がしてシマニュエル夫人であり
私には到底そういうことは
デキニュエル夫人と思ったのだった。
キョーフを感じている時点で
ゾッとしてしまっている時点で
超現実珍談士サルバドール・ヱビは
相当ヘタレであることを再認識した。
私にはそのようなロケンローライフは
ムリムリムリポである。
その方はそれが出来るのであるから
真のロケンローラーなのかもしれない。
そして真のロケンローラーは
知らないだけで至る所に
うじゃうじゃいるのだろう。
一発当てることを夢見て。
スターダムにのし上がることを夢見て。
色々な人生があってイイとは思う。
しかし私が夢見る超現実は
現実過ぎるほど現実を
直視した超現実であり
泥臭く地を這いつくばって
細く長く銭をかき集めるかのように
私は生きていきたい。
ヘタレはそれでイイのだ。

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