50代から考える老後資金(3)年金2
ポイント:
① 年金は死ぬまで貰える。
② 年金の位置づけは「長生き保険」と割り切るべし。
このままで行くと私が65歳から貰える年金額は月11万円前後。物価の上昇やマクロスライドによる調整で11万円のFV(Future Value -将来価値)は今の11万円より低くなると見るのが妥当だろう。果たしてこれで健康で文化的な最低限度の生活が送れるのだろうか?
失業中の今は厚生年金ではなく国民年金を払っているがその額月16,940円。これは昨年の収入をベースにしているので運悪くこのまま再就職出来なければ来年にはガクンと金額が下がる筈だ。国民年金の受け取り額は満額でも月たった6万5千円前後。よくこの受け取り額に対する掛け金の額が高いか安いかという議論になり「払いたくない」と言い出す人が出てくるが、私はこのシステムに加入しておく意義はあると思っている。それは、たった6万5千円(国民健康保険のみ、満額)でも、たった14万円前後(厚生年金、平均受給額)でも、このお金は「死ぬまで」「毎月」支払われるからだ。
年金は「貯金」や「投資」ではなく「保険」と考えれば納得がいくのではないだろうか。 万が一長生きしてしまった場合の「長生き保険」という生涯保険。
世の中、自分でコントール出来ない事は多々あるが、その中の最たるものが「自分の寿命」ではないだろうか? 明日事故か何かで死ぬかもしれないし、100歳まで生きるかもしれない。明日死ねば今の生活レベルのまま死ぬ訳だが、あと45年生きるとなるとその生きる為のコストに見合う収入が得れるかどうかが清潔な布団の上でそれなりに緩和ケアをして貰いながら尊厳ある死を迎える事が出来るかどうか、という話になってくる。 こちらが働きたくても働かせてくれないこの世の中で、年老いて体力、知力、その他色々な部分が劣化した年寄にお金を払って働かせてくれるところはほぼ無い。悲しいかな、今の時代、長生きする事はリスクと考えるべきなのだ。
当たり前だが貯めたお金は使えば無くなる。貯金が尽きる方が自分の命が尽きるのより早ければ残った人生は惨めなものになるかもしれない。また心理的にも日々目減りしていく貯金額を眺めるのは楽しいものでは無い筈だ。
この問題を回避する最も有効な手段が「金の卵を産むアヒル」を持つことだ。自分が死ぬまで毎日金の卵をポロンと産み落とすアヒルが居れば長生きも怖くない。それなりの金額を死ぬまで確実に貰う方法のひとつが年金なのだ。
私は我々の「年金戦略」はこの死ぬまで貰える年金の金額を最大限に増やしておくことだという結論に達した。
① 国民年金のみを20歳から60歳までの20年間支払った場合の満額:約6万5千円/月/ひとり
② そこに2階部分、厚生年金を会社勤めしている間ずっと払った場合の平均額:約14万円/月/ひとり ※厚生年金は最大70歳まで払う事が出来る
③ 私の現実(今日現在) 月約11万円/月/ひとり
これを支払が始まる日までにどこまで高額化させる事ができるのだろうか? (4)に続く、、、
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