50代から考える老後資金(4)年金3

ポイント
1)年金は 掛け捨ての「長生き保険」と割り切る
2)年金は 75歳から受け取る

情報が多すぎてむしろ不安が増してしまった老後資金問題。その漠然とした不安を解消する為、下記の様な5つのセグメントに分けて過去に買った本やネットの記事を読み返し、整理している。
① 公的資金(年金)
② 自分の努力で貯める資金(貯金と投資)
③ 生活費
④ 医療費
⑤ 末期(死と死に匹敵する事態でのコスト)

①の年金についての戦略だが、年金定期便によると2019年1月現在、私が65歳から貰える年金額は月11万円。これではちょっと厳しいのでもう少し増やす為にはどうしたら良いか考えてみた。

年金は「保険」である。生命保険に入った場合、満期年齢に達する前に不慮の事故や病気で死亡すれば保険金が入るが、健康なまま無事に満期を迎えればそれまで払って来た保険料の全て、または多くの部分は回収できず消えてしまう。また、20代独身の若者が死亡時に5億円の保険金が下りるような生命保険に加入し安月給の中から生活を切り詰めて毎月何万円も保険料を払うのは馬鹿げている。保険は保険金を受け取る事が出来るかという「可能性」とその「受給額」、及び「支払額」のバランスが大事であり、年金もそれと同じ論理で考える方がすっきりすると私は思う。

年金額を増やす方法は大きく分けて2つ。(1)付加年金(オプション)に入る。(2)受け取り時期を遅らせる(繰り下げ受給)。(1)については下に記したが、①~③という比較的ポピュラーな方法と④~⑤の知る人と知るというレベルの方法がある。ただし、この全部にメリット・デメリットと不確定要素があり年金戦略が複雑化するで私は当面無視する事にした。私にとっての年金はあくまでも「長生き」という不測の事態に備えた「保険」である。必要最低限の手間と必要最低限のコストで運営するべきだと思っている。
① 確定拠出金ー個人型確定拠出金(iDeCo)と企業型確定拠出金がある。
② 国民年金基金
③ 小規模企業共済
④ 個人年金
⑤ とんちん年金

私が注目したのは(2)の繰り下げ受給だ。シンプル且つ達成可能なのが良い。受給開始年齢の65歳から1ヶ月繰り下げる毎に受給額が0.7%加算されるので、仮に70歳まで受給開始を先延ばしすると0.7% x 60ヶ月=42%増し。 国民年金(基礎年金)を満額(20年間)まで払った場合に支給される年金は78万円/年(約6万5千円/月)なので78万円 x 1.42=110万円(約9万2千円/月)となる。

更に今年5月に成立した年金改革法(下記リンク参照)では75歳まで繰り下げる事が可能になった。75歳まで待つことが出来れば増加率は何と84%増しになるので、基礎年金の受け取り額は78万円 x 1.84 = 143万円(約11万9千円/月)となる。年金の2階部分、詰まり厚生年金部分も同様の増加率だと聞いているがまだ情報収集と精査が十分ではないので安全を見て厚生年金部分は変わらないと仮定しても、
今のところはっきりしている私の年金受給額(65歳~):11万円
うち、基礎年金(国民年金)分満額:6万5千円
厚生年金分(ざっくり)=11万円 - 6万5千円=3万5千円
75歳から受け取れる額は低く見積もっても基礎年金:月額11万9千円+厚生年金部分が全く増額されなかったと仮定しても厚生年金部分3万5千円=15万4千円。 
75歳までがんばればそれ以降は死ぬまで毎月15.4万円貰える算段だ。 

仮に厚生年金分も含めて同様の増加率が見込めるとしたら
70歳受給開始:11万円 x 1.42 = 約15万6千円/月
75歳受給開始:11万円 x 1.84 = 約20万2千円/月
となるので物価上昇分やマクロスライド分を考慮してもそれなりの生活が出来そうだ。

これで「75歳まで働く」というのが私の①公的資金(年金)戦略であり、この後の人生設計の柱であり、目標となった。

次に②の自己資金についてまとめてみた。(5)に続く、、、








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