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【Aponte取材日記⑤】Aponteシェフの夢(河村剛大)Ep.2
(過去のエピソードはこちら)
Aponteへ
ガムシャラに仕事に打ち込んだ日々を経て、少しずつ周りの景色が見えるようになってきた河村。料理人としての自覚が芽生えた彼は、友人の紹介を通し、Aponteへの転職を決意した。
「Aponteに来て何よりも驚いたのは、とにかく仕事の流れが速いことでした。前職で下積みをしっかりと積んだ自覚がありましたのでそれなりに自信はあったつもりですが、正直ついていくので精一杯でした。笑」
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Aponteは前のお店とは違い、オープンキッチンだ。料理を作るだけでなく、顧客からのオーダーをとったり、食事の進み具合を見たり、会話をしたりと、キッチン裏にいるときとは違い、常に顧客を意識して仕事をする必要がある。しかも顧客からは一挙手一投足が丸見えのため、息つく暇もない。
そんな目まぐるしく変わる環境についていくために、河村は必死に勉強したという。
「最初の2か月くらいは、とにかく毎日帰宅したら1時間以上、お店の用語やメニュー、ワインなどを勉強しました。」
そんな努力を経て徐々に環境に慣れてきた河村は、店長の松村や先輩シェフと料理についての話をしたり、前のお店では経験ができなかった会計や電話応対などのお店の運営にもかかわることができるようになってきた。
「Aponteにきて自分がやりたかったことができていると実感しています。ただお料理を作るだけでなく、お客様をお迎えするためのホスピタリティであったり、料理に合うワインの勉強、原価計算や若手の指導など、本当に様々な仕事があり、そこから得られるものは大きいです。」
「お客様との会話で得られる知識もあって、そういったところも本当に楽しいですね。」
『料理人』×『アスリート』
河村には『料理人』という職業に対するとある想いがあるという。
「料理と聞くと一見誰でもできるように思われがちですが、料理人は皆しっかりと専門知識をつけて料理人になっています。例えるならアスリートとかと同じかなと。自分の知識・経験をベースに身体と道具で戦っていて、毎日の営業は試合のような。」
「ただ、残念ながらアスリートほど料理人という職業は評価されていないのが事実なのかなと思っています。だから私は料理人になることに対して、アスリートになることと同じような夢や希望をみんなにもってもらえればいいなと。」
「そのためにはやはり若い人も頑張ればしっかりと認められて、それをみた後の世代がカッコいいな、頑張ろう、と思えるような、そんな環境を作っていきたいです。」
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河村は小学校の頃からプロレスが好きで、月に1回は後楽園ホールや国技館へ試合を見に行っていたという。好きな団体は「新日本プロレス」などの大きな団体ではなく、「ドラゴンゲート」という小さな団体。今までとは違う新しいプロレスの形を追及していたのがこの上なく好きだったらしい。
将来的にはAponteを背負えるような人材になりたいという河村。彼が『料理人』という職業に新しい風を吹かせることができるのか、行く末が楽しみだ。
(Ep.2 終)