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わたしはあなたの涙になりたい (ガガガ文庫 ) 著 四季大雅 

【その涙が哀しみではなく、暖かな物に変わりますように】


塩化病による運命に抗う少年達の物語。



己の人生が運命に支配されるならどうすべきだろう?

母の病による死によって心に欠落を抱えた八雲は、圧倒的にピアノの才能に秀でた揺月との出逢いにより、孤独だった心象風景が彩りを帯びていく。

時が経ち、プロピアニストとして外国に留学した揺月と並び立てるように小説家として活動をし始める八雲。

運命的な再会を果たした二人は、揺月の病によって蝕まれた時間を共有する。
人はいつか死期を迎える。そのタイミングは誰にも分からない。ならば、後悔無いように全てをやり切りたい。
予め、決められた運命など無い。その人の心次第で如何様にも書き換えられる。
全てをやり切れたなら、溢れる涙は哀しみでは無く、暖かな優しい涙になるだろう。
それに、気付けた二人は互いの人生を見つめ直し、最期の時に向かって羽ばたいていく。


哀しみで溢した涙がいつしか暖かな涙に変わるように最期まで寄り添うのだ。



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