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ラブコメ・イン・ザ・ダーク2 (MF文庫J) 著 鈴木大輔

【夢を描く空想で、現実に立ち塞がる障壁を乗り越えろ】


【あらすじ】
抗え。思い描け。夢をのりこなせ――。



”夜ごと見る夢を操る力”を手にした少年・ジローの運命は、謎の少女・ユミリとの出会いを経て一変した。

天敵だったヤンキー・喜多村トオルとの距離もぐっと縮まる中、ユミリがジローに言い渡したミッションは『四人の美少女を口説く』こと。

そんな中、ターゲットのひとりである絶対零度の女王と名高い委員長・氷川アオイが主催する補習講座へ、なぜかジローも参加させられるのだが。

そこにはターゲットの美少女が勢揃いしていた。タナボタの状況に戸惑う中、ジローにはアオイとふたりきりになれるシチュエーションが訪れ、さらにはアオイからデートのお誘いまでされて――?

夢と現実が浸食しあう暗黒恋愛譚、第二弾!

アオイの補修講座で、更なる闇が迫る物語。


空想の中でなら、嫌な現実を好きなように塗り替える。
その一種の享楽に身を任せたジローは、突如現れたユミリにより、夢で凌辱したヒロイン達を現実で攻略すべく足掻く。
夢とあわいの世界で得た確かな変化。
彼女達と接するごとに甘い夢物語からは想像も付かない暗く重い過去が立ち塞がる。
次のミッションであるアオイが主催する補習講座で垣間見える仄暗き過去。

なぜかデートに誘ってくるアオイの隠された背景が明らかになってゆく展開で、着々とミッションを攻略している行くが、一方でユミリは雲を掴むように謎めいた存在のままで、暗躍する謎の正体とは一体何なのか?

この作品のタイトル通り、ラブコメながらもその人の暗闇の部分に焦点を当てるのである。
その人の闇とは産まれ持った業と呼ぶべき物であり、人生を生きる中で必ず立ち塞がって来る厄介な宿命とも呼べる。

そんなアオイの闇が今回はことごとく現れる。
学校から遠く離れた彼女の自宅、そこで目撃したのはとっくの昔に崩壊していた生活の残滓と、彼女の心の中、誰にも言えなかった過去の闇。
その闇を受け止めたジローも、また己の中に闇を飼っており、互いの一番心の柔らかい部分を容赦なくえぐり合う。

まさに、抽象的な脳内を具現化したかのようなとりとめもなく混沌とした夢バトルを繰り広げて。


何とも複雑な性癖を持つアオイに何度もぶちのめされ、しかし、彼女とジローを抑えるのに必死なユミリは、ジローの中の手加減を指摘した。

何とジローは手心を加えて戦っていたのだ。


ユミリのその言葉に何かが目覚める様に。
只のねじくれた陰キャに見えるジローに隠された力が、彼の記憶に残らぬままに解放される。

周囲の予想を遥かに裏切り、ヒロイン全員を攻略するという土台、不可能に思われた偉業を期せずして為してしまったジローとは、本当の正体とは、一体何なのか?

自分でさえ、自覚出来ずに手綱をつけられないジローの闇が真に覚醒する時、一体、夢とあわいの世界はどうなってしまうのか?


夢と現実を侵食されつつ、全てを支配する能力を得たジローの闇が浮き彫りとなるのだ。















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