私を変えたアイドル と ときめきメモリアル

ときめきメモリアルという恋愛シミュレーションゲームをご存知だろうか。言わずと知れた恋愛シミュレーションゲームの金字塔中の金字塔だ。

このゲームは3年間の高校生活の中で、意中の女の子に連絡を取ってデートに誘い、その子が喜ぶ言葉を選択し、好感度を上げ、卒業式に女の子から告白されればクリアというゲームである。

しかしただ女の子を誘って機嫌をとるだけでは女の子には好かれないという、厳しい現実をこのゲームは再現している。

このゲームは1週間単位で勉強、読書、美術、睡眠、オシャレ、運動といった自分磨きのコマンドや、女の子に連絡をとってデートの約束をこぎつけるなどを選択することができる。自分磨き関連のコマンドを選択すると1週間選択したことに勤しんで体力や、文系、理系、芸術、雑学、ストレスといったパラメーターが変動する。

読書をすれは文系が上がり、オシャレをすれば容姿が上がる。このゲームの凄いところは読書や勉強をすればもちろん文系や理系があがって賢さのパラメーターが上がるのだが、ストレスの数値も溜まる。運動をすれば体調とストレスの数値が減り、根性が増える。睡眠をとれば体調の数値が増え回復する。

これって自己管理を上手く再現しているゲームシステムだと思う。


私は幼い頃から運動が大の苦手であり、小学生時代は体育や運動会で活躍出来るスポーツマンな男子が女の子から評価されるため、自信は0%のまま思春期を通り過ぎてしまった。

高校の頃私はこのゲームをプレイし美樹原愛ちゃん(断じてヘルメットなどと呼ばせんぞ)を攻略したが、時は流れ大学時代にアイドルのライブにハマった。

私はそれまで自分磨きなどほぼ皆無であったのだが、アイドルのライブ会場にはオシャレな若い男女や、めっちゃ社会的地位がありそうな雰囲気の男性などゴロゴロカースト上位な人達が溢れており、私のような芋臭いオタクは浮いてしまうほどであった。

「女性のドルオタは自分をアイドルに近づけるために自分を磨く」という価値観を知り、「男だからこそ、異性のアイドルに見られるんなら身なりちゃんとしとかねえとヤバいんじゃね?」と危機感を抱いて以来、私はアイドルの現場に行く時は推しを意識して継続的に走るようになった。運動が苦手で運動しなさすぎて、精神的に体調を崩した後にアイドルにハマった経緯も重なるが、モチベーションになったのは間違いない。

また、考え方として「アイカツプラネット」というアイカツ!シリーズの最新作において、

「なりたい私になれる場所、アイカツプラネットミラーイン!」

というキャッチコピーがある。

私はなりたい私になって良いということを知った。容姿や中身に価値がないから諦めるのではなく、自分が好む自分にカスタマイズし、アップデートをするというごく当たり前のことを知った。

ここでときめきメモリアルのシステムを思い返したい。ときめきメモリアルはパラメーターを女の子の「理想の男」に近づけるために自分磨きのコマンドを一週間ずつコツコツと上げていく。

なりたい自分になるためにコツコツと自分を向上させ、自己肯定をする。当たり前なことだ。筋トレ(ボディメイク)をしてオシャレをして資格をとって社会的地位を築き、好きな異性と付き合う。

私のように全く自分に自信が持てない人でも、アニメ「天元突破グレンラガン」のシモンのように、強くなることができるのだ。

「俺の信じる、お前を信じろ!」「お前の信じる、お前を信じろ!」とカミナの声が聞こえるではないか。がんばらなくていい。ほどほどでいい。人は皆弱く、そして強いのだ。

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