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アメリカADAツアー⑮

2015年7月30日記録報告
午前中、トモダチと会いました。
友人知人という訳ではないです。
私たちのこのADAツアーを資金面で
バックアップしてくださっている
US Japan councilの中の日米交流のプロジェクト、
TOMODACHI イニシアチブのことです。
アメリカ事務所から何人かの方々が見え、
この企画に参加してどうか、感想やら意見を
聞く時間を持った訳です。
私のグループに入ったのは、マイアさん。
日本語も堪能で、
ローカルな話題にもついてこれちゃうすごい人(笑
今までのツアーで感じていることは?と聞かれ、
私は、呼吸器ユーザーについて話しました。
州によって生活の質が大きく変わること、
保険の違いで生活の質が大きく変わること、
ADAでは就労問題を大きく取り上げられるが、
就労できないレベルの人たちのアイデンティティーは
どうなっているのか、という疑問…。
すると、マイアからはこんな答え。
「アメリカでは、なるべく自分でできるようになること、周りの人、街、国に負担をかけないこと、お世話にならないことが自立という価値観が大きい。そのために、少しでも働いて、社会に貢献できることが、人としての価値を高め、自分の存在に自信を持つことになる。」
でもね…、超重度の障害で、ベッドに寝たきりっていう人も、
世の中にはいるはずなのよ。
そういう人は、アメリカではいられる場所、なくない?
日本ではね、超重度の寝たきりな人で
医療的なケアが必要な人でも、
地域の中で生きていくとなれば、
介助者、訪問看護士、往診医、訪問入浴などなどの
様々な資源が動き、たくさんの雇用を創出できる。
地域に存在するというだけで、生きているというだけで、
十分「仕事」をしていることになるんだよね。
「働く」っていう概念を、ちょっと変えさえすれば、
もっとたくさんの人が、
もっと心地良く生きていけるようになると思うんだけど。
そんな事を伝えたら、
「Oh... それは新しい概念ね。
これから会うアメリカ人には、
その考え方をシェアしていくといいかも。」とのこと。
午後。
労働局の人たちと会えることに。
ここは、労働省の中の、
障害者雇用を促進するために
リサーチしたり相談にのったりする部署。
ほら、ADA、雇用が超大切だから。
ここでも、
「超重度の障害者は、
アメリカ社会では存在価値を問われがちだけど、
存在するだけで雇用を生み出す、
という考え方はありませんか?」
と聞きたかったんだけど、イマイチちゃんと意味が伝わらず、
私たち、超ハイテクテクノロジーとかを使って、
少しでも仕事ができるようにがんばります!
みたいな、ちょっとずれた答えが。
うーん…「超重度」の、「超」のレベルが違うんだよなぁ。
でも、帰り際、直接職員と挨拶したときに、
「あなたの質問は、とても大切な部分だと思う。
もっとやりとりができればと思うので、
いつでもメールしてね。」と言ってくれたので、
ほんとに、メールしてみようと思っています。
ひとつ、「合理的配慮」のことについて、
日本でもアメリカでも、「過度な負担」となる場合は、
配慮が免除される、という規定がありますが、
アメリカの場合、
企業などが勝手な判断で障害を理由に
障害者の雇用を拒絶することを防ぐために、
どういう合理的配慮が可能かを相談できる窓口がある
ということが印象的でした。
日本も、絶対そういうの必要。
一般的に、こういう障害者は働ける訳ない、
っていう先入観、いっぱいあるもんね。
ホテルに戻って夕方、アメリカ国務省の
ジュディー•ヒューマンさんとの夕食会。
ジュディーさんは、ジャスティン•ダートさん、
マイケル•ウィンターさんと並ぶ、
ADA制定運動のトップリーダーのおひとり。
ツアー2日目、
ジュディーさんのお話を聞く機会を逃してしまったので、
今回の夕食会参加を希望しましたが、
今回は、ジュディーさんの話を聞くというよりは、
ジュディーさんが私たちのツアーの感想を聞く、
という時間となりました。
このツアーを通して、日本に帰ったら何がしたいか、
友人に、どんなツアーだったの?と聞かれたら、
なんと答えるか、と聞かれ、
私は、アメリカの自立の考え方や社会参加の価値観は、
日本のそれとはずいぶん違うと感じた、
医療的ケアが必要な超重度の障害者にとって、
少し概念を変える必要があると思うし、
もっと呼吸器ユーザーとつながって、
ネットワークを作りたい、と答えました。
ジュディーさんは、
アメリカにも呼吸器ユーザーのネットワークがあるから、
そこにコンタクトを取るといい、と言ってくれましたが、
まだ検索しておりまっせん。
これをもちまして、ワシントンDCでのプログラムはすべて終了。
ひとつひとつの出来事を、
ゆっくりじっくり考える余裕がまだありません。
ただ、やっぱり、根本的な価値観が全然違うんだなぁ、
ということは改めて感じることができました。
日本でCILをやっていく中で教わってきた概念と真逆じゃん!
と思うことも。
コミュニティになるべくお世話にならないようになることが自立だ、とか。
うーん…。
あらためて、自立って何よ。
自立支援って何よ。
というところに戻ってしまった(笑
はぁー。
ひとまず、第1段階、お疲れ様でした!笑

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