月曜日はSEXTET!! 珍しい六重奏を聴きながら文化的な夕べを♫
こんにちは! ファゴット奏者の蛯澤亮です。楽器を吹いたり、youtubeやnoteで情報を共有したり、コンサートの企画運営をしています。一緒に人生を楽しんでいきましょう♫
今回はハルモニームジーク vol.18の紹介。
ハルモニームジークといえば管楽八重奏。オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの二本ずつの八重奏です。
しかし今回は六重奏。人数はこっちのが少ないけど意外とやる機会がないこの六重奏を今回取り上げます!!
予想を裏切る編成の面白さ
八重奏が流行るきっかけとなったのは1782年、神聖ローマ帝国皇帝ヨーゼフ二世がウィーンで八重奏団を創設したことから。それ以前は二つの六重奏がありました。
一つはオーボエ、ファゴット、ホルンの六重奏。これは楽器の歴史上普通の成り行きです。古い楽器二本ずつ。ヨーゼフ ハイドンはこの編成のために何曲ものディヴェルティメント(嬉遊曲)を書いています。これに新しくできたクラリネットを追加して八重奏と発展するのは自然です。
もう一つは今回取り上げるクラリネット、ファゴット、ホルンの六重奏。これは軍楽隊で使われた編成でもあり、新しい楽器を好んだフリーメイソンがクラリネットを好んでおり、フリーメイソンの集会でのコンサートでもよく使われていた編成です。
今回のメインであるモーツァルトの六重奏曲はもともとフリーメイソン関係で作曲されたとされています。フリーメイソン的な部分が多々あり、既にフリーメイソン特集の時にも八重奏版で演奏しました。
そう、有名なのは八重奏版。これは六重奏を書いた翌年にヨーゼフ二世が八重奏団を創設するにあたりモーツァルト自身が編曲したものです。元々は六重奏だったのです。
八重奏よりも機動的で自由度が高い六重奏
今回やってみて思ったのは、この六重奏は非常に自由度が高い。
やはりオーボエ無しでクラリネット2人がフル回転で動き回るからでしょうか。機能的なクラリネットが2本でメロディに対旋律に伴奏に動きまわります。そこで足りない部分はファゴットにまわってきます。ですからファゴットもかなり大変。「え、これクラリネットにやらせるべきパートだろ」って箇所がありますw
しかし、それだけにファゴットが頑張れば非常にアクティブなアンサンブルになります。ホルンは木管ほどの動きはもちろんありませんが、様々なテクニック的動きもあり、オペラの編曲のときにあるようなただの伸ばしばかりのホルンでは全くありません。
ベートーベンの六重奏はやはりモーツァルトの対抗心からか
ベートーベンはモーツァルトの作曲した名曲と同じ編成の曲を同じ調性で書きました。やはりモーツァルトへの尊敬とライバル心の両方があるのでしょう。
今回取り上げるベートーベンの六重奏もまさしくモーツァルトの六重奏と同じ編成、同じ調性です。
「自分は違うよ」とでも言うようにモーツァルトとは一線を隠したスタイルで書かれています。一見単純に見えて、楽器の使い方はよく考えられており、ホルンにここぞというところで難しいパートを書くあたりは彼の他の曲でも見受けられます。
今回の聴きどころはモーツァルトの名曲とベートーベンの対抗心溢れる作品の両方を比べられるところです。ぜひお聴きあれ。
クロンマーの隠れた名曲も聴き逃せない←これマジ
クロンマーといえばハルモニームジーク に欠かせない作曲家。とにかく曲が多いのです。当企画では継続開催される定期公演だからこそクロンマーのなかなか演奏されない曲まで演奏してきました。
中には凡作もあり、聴いている方は楽しくても演奏してる方は楽しくなかったりもしますw
しかし、今回の六重奏は非常に面白い!!
これは本当におもしろいです。クロンマーらしさはありつつ、楽器の使い方は八重奏よりも入り組んでいて演奏していても楽しいのです。何回もクロンマーを演奏してきたファゴットの坪谷くんとも「今回のクロンマーは楽しい」と二人で掛け合いを楽しんでいます。
皆様のご来場とご視聴をお待ちしております
今回はアクティブなクラリネット二人に若く意欲的なホルン二人、そしてぶりぶりなファゴット二人とかなりイケイケの演奏になる気がします。
なかなか聴けない六重奏をぜひお聴きください。
感染症対策をしっかりしてご来場をお待ちしております。
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非日常の管楽器の会話を一緒に楽しみましょう。
それでは、良い日をお過ごしください。
蛯澤亮でした。
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