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学生団体の活動で何が学べるんですか?

「WANで何が学べるんですか?」

私が今まで2年以上、WANで活動してきた中で何度もぶち当たった質問です。

WANは大学の授業でも、趣味のサークルでも、お金がもらえるバイトでもありません。あくまで「やりたい人」たちのモチベーションで成り立っている学生組織、いわゆる学生団体です。

先ほどの質問に簡単に一言で答えるならば、「社会人で必要なスキルや素養を学べる。」とWANでは代々言われてきています。
が、「社会人で必要なスキルや素養」というのが全くピンと来ない(笑)
果たしてそれが何なのかもわからないし、私たちは学生しか経験していないのだからその重要性も分かるはずがないのです。それゆえモチベーションの維持に悩んでいたのですが(今でもたまに悩みますが笑)、なんとなく「スキルを身につけるのは大切かもしれない」ということだけは感じていました。

分からないながらにも、周りの社会人を見ながら、そして日々活動しながら感じるWANでの学びを学生目線から少し考えてみます。私と同じ学生にもぜひ読んで、考えてもらいたいですね。

問題を客観的にとらえて解決する〜WBSって何?〜

WANは現在、フォトコンテスト、ラジオ、記事執筆、イベント運営、SNS運用など幅広く活動しており、それぞれのプロジェクトで学生が主体となって運営しています。これらのプロジェクトは実際に取り組んでみると分かるのですが、、、作業量が膨大(笑)
そこで求められるのが「問題を客観的にとらえて解決する力」です。
具体的にかみ砕くと、「問題(仕事)を客観的に細かく分解し、計画立てて一つずつ確実に終わらせていく力」という感じです。

フォトコンテストを例にとりましょう。「客観的に細かく分解」するとこんな感じになります。

まず、大項目は「企画・広報・運営・審査・結果発表・表彰」のようになります。
次に上記項目のうち「広報」について中項目を考えると、「コンテストWEBサイト立ち上げ、公式インスタアカウント立ち上げ、プレスリリース、WANのSNS、メディア出演・・・」などが思いつきます。
最後に広報の中項目のうち「コンテストWEBサイトの立ち上げ」に関する小項目を考えると、「WEBサイト作成、第1回チェック(デザイン・構成など)、サイト修正、最終チェック(誤字脱字、必要事項の抜け漏れ)、公開」となります。

とにかく仕事を細かく分解して書き出してみました。一つのカテゴリーの一つのタスクだけ取り出してもこれだけの作業が発生するので、計画を立てることなく、がむしゃらに頑張っても全く終わりが見えません。これらの仕事をきちんと整理することでタスクの洗い出しができます。ここからさらに、各作業を担当する担当者と納期(締め切り)を決め、やっと問題解決への一歩が踏み出せるようになるのです!
社会人の間では、これを「WBS=Work(作業) Breakdown(分解) Structure(構成)」といいます。WBSの作り方を詳しく知りたいという人は以下のURLを見てみてください。

そして、WBSが完成したら、担当者が責任をもって実行するのみ。もちろん仕事がすべて予定通りに進むはずがないので、途中でWBSを修正しながら進めていく必要があります。WBSがきちんと機能しているか管理する担当者も決めてとなお良いかもしれません。

で、なぜこれが大切なんですか?という話でいくと、まず「問題点を整理する」ことで、一つの課題の全体像が把握できます。そして一個の大きな課題について、具体的にどんな要因があり、その要因を解消するためにすべきことは何なのかをはっきりさせることで、確実にゴールにたどり着くことができるのです。

これが仕事をするうえで大事なのは間違いないのですが、仕事以外でも生きてくるスキルだと私は思います。学校・サークルの人間関係やこのコロナ禍の生活、将来のことなど、それぞれ悩みもたくさんあると思いますが、そういった問題を解決する際も大いに役立ちます。なぜ自分はモヤモヤしているのか、モヤモヤの要因は何なのか、その要因はどのようにしたら解決できるのか。一つ一つ整理して冷静に言語化してみると意外に答えが見えてきたりもするものだと、この2年間で強く感じました。

思考停止することなく、自らの頭で考え抜く〜ジョブ・クラフティングのすすめ〜

序盤で書きすぎたので、ここからは簡潔に。(笑)※無理でした

先ほどのWBSの話に通ずるものでもありますが、WANにいると、とにかく「考える」という癖が身につくと思います。

WANは学生組織でありながら、一法人として第一線で活躍されている社会人の方や企業・行政の方と一緒にお仕事をする機会が多い点が特徴です。そのため、社会に出たことがない学生にとって毎日の活動は分からないことだらけです。さらに、WANの活動テーマは「地方創生」。日本において今、現在進行形で社会人の方々が試行錯誤して取り組んでいるものであり、誰も完璧な「正解」にたどり着いていない社会課題です。

そんな壮大なテーマのもとで学生が活動に取り組むと何が起こるかというと、「活動意義を見失いやすい」ということです。加入当初はどんな学生もやる気に満ち溢れ、ただがむしゃらに楽しく活動しているのですが、Googleドキュメントやスプレッドシートで資料を作りまくっていると、ふと「あれ、なんでこのイベントを開催するんだっけ?なんか難しい資料ばかり作ってない?きつい。」となるんです。

ここで大切になってくるのは「意味づけ」です。自分で意味づけをするには、自らその「意味」というのを探し出す必要があります。プロジェクトが立ち上がったとき、企画者(プロデューサー)は何らかの意図を持って立ち上げています。そのプロジェクト(PJ)が「PJの参加者(ターゲット)」「PJを共に進めるパートナー」「WAN(自分が所属する組織)」「自分自身」にとって、どのようなプラス要素があるのかをまず自分で考え、腹落ちさせることが重要です。企画者に企画内容やその目的を直接聞けば、「ターゲット」にとってのメリットは一瞬で分かることが多いです。
しかし、一番難しいのが「自分自身」にとってのプラス要素を見つけ出すことです。「あなたはこのプロジェクトでこの仕事を担当してもらいます。その仕事を通して、あなたはこのように成長できますよ!」とわざわざ教えてくれる人はまずいません。(就活を進める中で「会社は”御社に就職することで自己成長したいです”と言うような人は求めていない」という話をちらほら聞きますが、まさにそれを表しているような気がします。)社会人になっても、部長などの管理職にでもならない限り、PJの全体を握ることはできませんし、自分の任された仕事がどこにつながっているのかが見えにくいことも多々あります。
そこで、「なんかよくわからない作業だし、仕事ってつまらない。」で終わることなく、一つ一つの作業を自分にとってもプラスにできるように考え、意味を見出し、自分なりに納得した上で取り組むとより楽しさが増すのだということに気づかされました。常に「なぜ?」と考えておくことが必要ですね。

なぜ「大学生のうちに」2つのスキルを身につけないといけないのか?

ここまで大きく二つの話をしましたが、なぜこれらをわざわざ大学生のうちからやらないといけないのか?と感じるかもしれません。

二つに共通しているのは、「正解のない物事の根本を考えている」ということです。

問題解決も、意味づけも、絶対的な”正解”というものは存在しません。解決方法はいくらでもあるだろうし、自分にとっての物事の意味づけは人によって異なるのは当然です。

社会に出て働くことになったとき、「正解のない社会課題」にひたすら立ち向かっていくことになると思います。その課題に向かって、現在、社会で働く大人たちは「正解らしきもの」を探し求めて日々もがいています。

しかし、これまで私たち学生が取り組んできたのは、「一つの正しい答えを出す訓練」がほとんどだったと思います。数学の問題を正確に解き、英単語を正確なスペルで書き、用語や公式、人物名を正確に覚える…。これらが悪いことだ、と言いたいわけではなく、ただ学生には「自分で考え、試行錯誤して取り組む」という経験が圧倒的に少ないと感じます。

人々の価値観が多様化し、社会情勢が日々大きく変化する中、既存の知識を覚えておけば大丈夫!というのは今後ますます通用しなくなります。
自ら主体的に考えて課題を見つけ、課題の要因を整理し、解決策を打ち出し、実行し、やり遂げ、多方面に価値を提供する。
当たり前にできそうで、なかなかできないことを学ぶことこそがWANにいる意味かもしれません。
WANの先輩方が今、社会で活躍している理由もなんとなくわかったような気がしました!

まだまだ書きたいことはありますが、今日はこのあたりで。。

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