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”本の行商”という職業

「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」内藤洋子

本を本屋さんで買う。今はオンラインで購入する事が増えてきているますし、電子書籍もありますが、私は断然リアル本屋さん派です。さて、この本で紹介されるモンテレッジォというイタリアの小さな村は、中世から歴史的に村の産業が本の行商だったそうです。

写真も多く、旅行記のような雰囲気もあります

想像するにかなり大変な仕事です。まず、本は量が増えるとかなりの重量です。それに、行く先でどの本が読まれるかはどうやって選んでいたのでしょうか。それでも村の男たちは皆、籠に本を詰めてそれぞれ行商の旅に出て行きました。この本には著者がこの村を知ったいきさつから村への訪問、そして村と人々の歴史を辿りながら本の行商がどうやって生まれ、今はどうなっているのか、が丁寧に書かれています。

時が流れる中で、単なる本の需要だけでなく各種の情報収集に彼らは能力を発揮していきます。ある時は反体制の書物や情報を運び、またある時は顧客のニーズ情報を元に出版会社を立ち上げる例もありました。そして現在、村は寂れてしまいますが、彼らの子孫の中には本に関わる仕事をしている人もいるそうです。

この本は出張中に立ち寄った本屋さんで偶然見つけました。内藤洋子さんはイタリア在住でエッセイなど多く書かれており、2020年にはイタリアの本屋大賞ともいえる”金の籠賞”を受賞しています。

本の行商人。籠に本を入れています。

もしかしたら日本でも富山の薬売りのように、行商でのアイテムの1つとして本を入れてる事があったかもしれません。いや、確か版画はあったような気が・・投稿したら調べてみようと思います。

最後までお付き合いありがとうございました。


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