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なぜ、他人の評価に振り回されてしまうのか?

私達人間は、自分ひとりでは生きていけない状態でこの世に生まれてきます。赤ちゃんは自分ひとりでは生きていけないから、誰かに頼るしかありません。赤ちゃんが唯一持っている人間関係は、自分の親か、親の役割をしてくれる誰かです。

赤ちゃんは、自分を保護してくれる誰かがいないと生きていくことができません。赤ちゃんにできることは、泣き叫んで親を呼ぶことです。赤ちゃんのとき、泣けば親が来て世話をしてくれる、という体験を何度も繰り返すことで、困ったときは人に頼ることができる、という能力を身につけることができます。

幼い子どもは歩けるようになっても、言葉を話せるようになっても、まだ自分ひとりで社会で生きていくことはできません。「生き延びるためにはどうすればいいか」ということがわからない子どもは、とりあず他人のマネをするしかありません。生きていくための方法を他人から学ぶ、ということです。

幼い子どもにとっての他人は、親しかいません。子どもにとっては親が唯一の人間関係であり、親子関係が、子どもにとっての世界です。なので、「生き延びるための知恵を身につけなければいけない」という本能に基づいて、親の考え方や価値観を徹底的に吸収していきます。

子どもは親の言うことを聞くと、親に褒められる、親の言うことを聞かないと、親が不機嫌になる、ということを学びます。親の言うことを聞けば「愛される」という報酬があることを学んだ子どもは、貪欲に親の考え方や価値観を自分の中に取り込んでいきます。親の言うことを聞かないと「愛されない」という罰を受けることを学んだ子どもは、親の考え方や価値観の範囲内で行動するようになります。「いい子」になるために頑張る、ということです。子どもは自尊心を満たすために、親から褒められる、つまり、他人から認められる、という方法を身につけます。

成長するにつれて、親の価値観から抜け出しくなる

私達は成長するにつれて、いろいろな人と出会い、いろいろな考え方があることを学んでいきます。人間関係が広がっていくと、親の価値観の範囲内でとどまっているのが、だんだんと窮屈になっていきます。「これをしなさい」「あれをしなさい」と言われるのが、ものすごく嫌になってきます。それまで採用していた、「親の言うことを聞いて褒められる」という自尊心を満たすやり方に、限界を感じるようになります。

「親の考え方から抜け出して自由になりたい」と思った子どもは、「うるせ〜」「俺の好きなようにやらせろ」と、親に反抗するようになります。子どもは自由になりたいから、親に依存するのをやめようとします。しかし、それまで自分ひとりの力で生きたことがない子どもは、親から離れることに不安を感じます。子どもは自立心が強くなればなるほど、「親に頼ることができなくなる」という不安を感じるようになります。そして、「自分のすることは自分で責任を負う」という重荷を感じるようになります。

自分で自分を満たすことを忘れてしまう

他人の考え方や価値観から抜け出して自由になるためには、自分で自分を満たす方法を学んでいかなければいけません。他人から認められることではなく、自分で自分を認めることで自尊心を満たす、という方法を学んでいく必要があります。

しかし、この国では、自分で自分を満たすことができる、ということを教えてくれる人はあまりいません。私達の多くは、「他人から認められることで承認欲求が満たされる」という教育をされます。なぜなら、コントロールする側にとって、そのほうが都合がいいからです。「自尊心を満たす方法は他人から認められるしかない」ということにしておけば、上にいる人間が下にいる人間をラクにコントロールできるようになります。

「課長に褒められるために、自分の言いたいことを言わないようにしよう」「部長に嫌われないように、嫌なことがあっても我慢しよう」と、勝手に扱いやすいに人間になってくれます。「他人から認められることで自分が満たされる」と思い込むことで、自分で自分を満たすことを忘れてしまいます。

「好かれたいから」「嫌われたくないから」と、他人の考え方や価値観に合わせ続けることで、思考停止になっていきます。自分で考えることを放棄して自分の意見がなくなれば、他人の意見に頼らざる得なくなります。「他人から認められることでしか自分を満たすことができない」と思い込むことで、他人に従順になることでしか生き延びることができない人間になってしまいます。

自分を褒めたくなるような生き方をする

子どもの頃は、自分ひとりで生きていく力がありません。だから、「他人から認められて自分を満たす」という生存戦略をとるのは理にかなっています。しかし、大人になった私達は、「それだけが唯一の自分を満たす方法です」となる必要はありません。

他人から褒められたり尊敬されれば、嬉しくなって承認欲求が満たされます。しかし、自分を満たす方法がそれだけになってしまうと、自分で自分を幸せにするための行動を起こすことができなくなります。あなたは、他人と違う考え方をすることができます。自分の価値観に従って行動を起こすことで、自分を満たすことができます。自分の好きなことを自分にやらせてあげる、という体験を積み重ねることで、人生が充実していきます。

「自分の嫌いなことを自分にやらせたくない」と思うことで、そんなやさしい自分を好きになっていきます。他人に理解されなくても、自分が本当に好きな生き方をすれば、自分を認めることができるようになります。あなたは、誰からも褒められなくても、自分で自分を褒められるような生き方をしていてば、生きていく力が湧いてくる、ということを忘れないでほしいと思います。

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