チガサキ⊿ライフ026 : 運動会 (父の日)

1. 父の日のイベント

　父の日の前日に、幼稚園で親子運動会が開催された。毎年恒例の幼稚園のイベントで、父親と並んでの体操、親子で協力する障害物競争、そして最後のメインイベントであるクラス対抗のリレー走で構成される。

2. リレー

　年長の幼稚園児になると、走りもしっかりして、良い勝負のレースとなっていた。少し赤組に遅れをとって、白組の娘がバトンを受け取った。順調に走り出した娘は、半周付近で追い着いたが、上手く抜けなかった。一度スピードが緩んだが、最終コーナー前で、大げさなほど大きく腕を振り出し、コーナーを生かして抜き去った。ちょうど観覧場所の目の前だったので、「行け！！」と大声を出して応援した。この興奮に、すっかりビデオを撮っている事を忘れて、大事な決定的瞬間は大幅にレンズの枠外になってしまった。こういった時にも落ち着いた妻は、冷静に写真を取っていた。

3. 応援

　レース終了後、娘に速かったと褒めると、「伊藤が頑張れって応援したから、抜いたんだよぉ。」と興奮と恥かしさが混じった表情で説明していた。伊藤って誰かと聞くと、「体操の先生だよ。」とそんな事も知らないのかと言う顔で教えられた。お父さんも大きな声で応援した事を説明したのだが、「お父さんの声は、全然聞こえなかったよ…。」と切ない回答であった。お気に入りの体操の先生らしく、「どうして、私だけを応援してたと思う？」と終始ご機嫌であった。家に帰ってからも、同じ話題は尽きなかった。「お父さんで、頑張れって言って。」と言われ、頑張れと言っても下を向いて動かず、「次は伊藤で頑張れって言って。」と言われ、頑張れと言うと爆笑で走り出す、小芝居を何度も何度も繰り返させられた。