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ロンドン駐在記055 : パスポート (写真)

1. スピード写真

 ビザの延長申請に、家族の写真が2枚ずつ必要となり、近くのスピード写真で取る事とした。料金は4枚で3.5ポンドであり、使い方は日本と全く同じである。10ヶ月の息子の写真をどうするか考えたが、イギリスの写真館で撮影するといくら請求されるか分からないので、スピード写真で取る事とした。妻とのチームプレーで視線は旨く取れたが、両脇を支える父親の両手が思いっきり写っていた。娘の時の経験からも視線を合わせる事が難しい事は分かっていたので、この父親の両手つきの写真で勝負する事とした。業務上のイギリス人の対応より、質問すれば却下されるが、しらっと出せば通る確信はあった。現地の同僚にその話をすると絶対に無理だと言われたが、3日後には延長されたビザ付パスポートが戻ってきて、完全勝利であった。

2. 日本パスポートセンター

 ちなみに、娘も1歳すぎにグアムに旅行に行くためパスポートを取った。当時もスピード写真を用いて写真を撮影した。思惑通りとれず、1回目は視線が斜め45度となってしまった。2回目のチャレンジでは、視線はばっちりだったが、鼻水がきらりと輝いていた。妻は嫌がったが、亭主に「もし断られたら泣き落としして」と言われ、それらの写真をパスポートセンターに持っていく事となった。案の定、係員にはぶつぶつ言われたらしいが、視線のそれた写真が晴れてパスポートとして採用された。

3. 写真館

 息子のパスポート写真は、生後2ヶ月との年齢から、写真館の使用を余儀なくされた。さすがにプロだけあって、手際よくとっていたが、報酬もさすがにプロだけあってたった2枚で2,000円近くかかった。ただし、パスポートセンターの係員には首が無いと写真にけちを付けられたらしく、首が据わっていないのにどうやって首をだすのだと妻が家に帰ってから怒っていた。人物を把握すると言う目的から判断するのでなく、決まりからの逸脱のみを細かくチェックしている官僚的なコメントの象徴であった。

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