見出し画像

チガサキ⊿ライフ025 : 運動会 (幼稚園)

1. 幼稚園父の日親子運動会

 父の日に運動会が開催された。妻の忠告を守らず、前日は飲みに行ってしまい、帰宅したのは明け方だった。ひどい吐き気に追い討ちをかけるように、妻が嫌味を背中から言いあびせてきた。スタート時点より異様に青白い顔をして並びながらも、娘を抱いて走る障害物競走にもちゃんと参加した。旗をぐるぐる回る競技の考案者を恨み、吐き気を抑えながら。

2. 幼稚園運動会

 前回から学び、今回は前日に飲みに行かなかったので、親子参加競技も軽くこなし、ビデオ撮影に終始した。娘の表情も前回の運動会より余裕が感じられ、親子共々、4ヶ月の成長が見られた。

3. 自治会

 軽く参加したのだが、自治会対抗競技に妙に燃える方々に誘われて、3種目も走る競技に参加する事になった。2種目でも散々走ってバテバテになっていた上に、最後のリレーは200mm近くある小学校校庭のレーン一周を走らされる事がリレー開始前の並んでいる時に告げられた。何の自慢にもならないが、もともと足が遅い上に、ここ数年本気で走った事は無いのだが…。娘の声援と妻の「周りは皆さん細くて早そうなのに、一人だけ太い。」と言う嫌味を背に受け、リレーは始まった。接戦でバトンが来ないようにとのささやかな願いに反して、10番のゼッケンを付けられた私へのバトンは1位に食らい付く2位の形で渡された。とりあえず走り出したが、体が全く進まず、上体が反っていく事がわかった。あれ、どうやって走ったら良かったのだろうか、イメージと体が繋がらず、必死なのだが苦笑いがこぼれる。1位の走者の姿が小さくなっていく歯痒い現実を受け止めながら、長い一周の最終コーナー手前で、3位の走者に抜かれた。昼食時に見かけたイタリア人だった。日本男児の最後の力を振り絞ったが、絞れたのは上半身のみで、下半身はいわゆる足が絡まった状態に陥った。バトン受け渡しラインまで後5mの地点から、スローモーションの奇妙なオヤジの舞が始まった。もはや幽体離脱のように、制御不能の体から抜け出した大和魂だけで必死に転倒するのを防ぐことがやっとだった…。結局、完全ブレーキの私の影響が大きく、4着でのゴールとなり、皆さんの暖かい慰めの言葉に刺されながら戻る事になった。心から応援してくれたのはやはり娘だけで、息子は遊びに夢中で、妻の感想は「ニヤニヤしながらドテドテ走って気持ち悪かった。」だった。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?