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ビジネス出張記073 : 韓国 (イカの塩辛)

1. お土産

 韓国駐在の方が、私が何度も出張で韓国に来ているのに、大好物のイカの塩辛を一回も持ってこないと愚痴っていた。大好物なんて口で言わないと分からない旨をお伝えしたが、一緒に居れば分かるはずだと言い張っていた。そんな事を言っていた前回の出張時に、ちょうどその方の家族が観光でやってきた。色々お土産を貰っていたようだが、家族からも塩辛のお土産はなかった。悲しいかな家族でも気付かないのに、赤の他人が分かるわけ無いと言いながらも、今回の出張時にイカの塩辛を持って行く事とした。

2. 保存食

 今までイカの塩辛を、あまり気にした事は無かった。保存食だからてっきり1ヶ月ぐらいは持つのかと思っていたが、実は2週間ぐらいが賞味期限の限度で、かつ要冷蔵の厄介な食べ物であった。腐らせてもしょうがないので、買い置きせずに成田空港で購入する事とした。チェックイン後の出国検査前に購入しようとしたが、液体物に該当するらしく、手荷物としては持っていけないと言われた。そんなものをチェックイン後のショップに並べるなと思いながら、言われるがままに出国審査後の購入を強いられた。空港で買うと24時間分の無料冷蔵付であり、結局ここでの購入がベストではあった。

3. 厄介者

 北海道産の高級塩辛で、非常に喜んでいた。二度と食べたいと思わないようにと、3箱のイカの塩辛を購入したのだが、特に食べきれないとも思っていないようであった。しかし、事態が急変し、その駐在の方の昔から仕事を一緒にされている社長が亡くなられたらしく、塩辛を受け取った途端に急遽日本への帰国が決まった。つい先程まで有難がられていた塩辛は、一転して厄介者となり、処分に困っていた。結局は、他の韓国駐在員の方に引き継ぐ事になったのだが、特別塩辛が好きでもない引継ぎ者にとってみれば、こんなに大量の塩辛を何で買ってきたのかと、こちらに思わぬクレームが来てしまった。計らずしも、イカの塩辛にすっかり振り回された、出張の序盤戦であった。

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