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2月:身体を巡らせ、代謝を上げるレシピの作り方〜暮らし編

暦の上では立春を過ぎて、陽の光も春の穏やかなものに変わりました。散歩に出かけると、うーんと伸びをしたくなる良い日頃ですが、残念ながら今年は花粉症の症状が特にひどい方が多いみたい。おまけにコロナもあって人前でくしゃみや咳をすると睨まれたりして...辛い春ですね。
私は花粉症が全くないので、ニコニコたくさん散歩しています。

このnoteでは、昨年12月からこの春に向けて、徐々にデトックスに向けて準備をしましょうとお伝えしてきました。アーユルヴェーダでは、春は流れ出す水のシーズン。冬の間に固まっていたバターが、陽の光に当てられて溶けるように、人間の身体からも余計なものが出やすいタイミングです。

みなさん、春に向けた準備はしてきましたか?今月はいよいよ、代謝をしっかり意識し、出すものは出しちゃいましょう。ということで、アーユルヴェーダの消化・代謝力「アグニ」のお話をお届けします。

外部からの流出物を体内で消化・代謝する力「アグニ」

アーユルヴェーダには、体質や病素を表す「ドーシャ」生命力を表す「オージャス」などなど、様々なサンスクリット語のコンセプトワードが登場しますね。その中でも最も大切で、アーユルヴェーダの健康の要と言えるのが「アグニ」代謝する火の力です。

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正常なアグニにはvata/pitta/kaphaのバランスが欠かせない
アグニには体内に入ってきた飲食物を消化・代謝するメインのアグニ「ジャータラ・アグニ」以外にも、構成要素をそれぞれ担当するアグニとか全部で13種類あるんですが、とりあえず今回はボスのジャータラ・アグニの話をします。

燃やし、代謝する火の力というと「=pitta(ドーシャで火を象徴とする消化・変換の力)」なのかな?と思いがちですが、違います。これポイント。

アグニを理解するには、キャンプの時の飯盒炊爨をイメージしてください。飯盒の中にお米と水を入れて火の上にかけ、風をパタパタと送りますね。この水がkapha、火がpitta、風がvataです。
アグニとは、この3つのエネルギーが集結して起こす消化・代謝のエネルギーのことで、お米を炊く火そのものではなく、その周辺を取り囲むようにして存在しているエネルギーといった感じなんです。

アーユルヴェーダの食事や生活法は基本的に、増え過ぎたドーシャを鎮静することにフォーカスしますよね。「ドーシャのバランスを整えましょう」というのは、毎日このアグニが正常に燃えるためにあります。
ドーシャのバランスが崩れると、火が正常に燃えなくなる。それによって未消化物が生まれ、不調の原因になるので、安定した火を守るために正常なドーシャのバランスは欠かせないということがわかります。

春は緩慢になるアグニ。あなたのアグニは停滞してない?

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アグニは変化します。元々の体質により、初めからアグニが小さい人もいれば大きい人もいるし、体質のバランスが変化することでそれまでよりもアグニが小さくなったり、大きくなる方もいます。
焚き火の火都同じように、ずっと安定して燃えるのが当たり前ではなく、年齢や季節に沿って変化していきます。
その種類は全部で4種類で、次のように分類されます。

①ヴィシュワアグニ(不規則なアグニ)...vata体質に多い    
②ティークシュナアグニ(鋭いアグニ)...pitta体質に多い
③マンダアグニ(緩慢なアグニ)...kapha体質に多い
④サマーナアグニ(正常なアグニ)

年齢は一旦置いておきますが、季節はだいたいイメージがつくのではないでしょうか?春のドーシャの話を先々月からしてきたので、おや、これは...と思っている方も多そうですが、そうですね。kaphaのエネルギーが大気中に増える春は、③マンダアグニが増えます。

マンダ(緩慢な)というのは、なんとなくぼんやりした感じです。出たり出なかったり、不規則なヴィシュワとは異なり、気づいたら3日忘れてた!みたいな感じ。そんな経験はありますか?
春は二度寝が当たり前になったり、ようやく暖かくなって日向ぼっこしてるうちにうつらうつらしてしまう...。なんとなく世の中の空気もズン、と重みを感じます。

ご自身のアグニはそのような「マンダアグニ」緩慢で、停滞性で、なんならアーマ満載(=未消化物が多く、体が重たく停滞している感じ)のような状態にはなってないでしょうか?

もしそうであれば、今年の春は要らないものを出すデトックスのタイミングとしてはちょっと不十分かもしれません。「また来年!」と言いたくなってしまいますが、今からでもできることをチェックして、正常なアグニを取り戻せるよう頑張ってみましょう。

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テキストでのお話と、料理のレモンストデーションの動画(*動画は2020年4月以降)の両方があって、見ながら実際に食事を作って楽しめるところがポイント。

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