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7月:夏の土用!スパイスで養生レシピの作り方〜料理編

夏の盛りを控えて養生したい「夏の土用」アーユルヴェーダの観点からすると「自分の消化力を見直す良いタイミング」ということで、未消化物のチェックの方法や、そもそもためないようにする方法について、暮らし編でお伝えしました。

自身の力で消化しようとしてもできないところが何より厄介なアーマ(未消化物)。毎日溜まっていないかチェックすることも予防になりますが、そもそも溜めないようにするには「自分の消化力に合った食べ方」ができるようになりたいですよね。

今回は、アーマを溜めずに軽やかに夏を過ごすための食事法や料理のレシピをお伝えしていきます。

夏のアーマ・パーチャナに断食は御用心

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「未熟の果物をもぎ取ろうとすると芯が残ってしまうように」アーマ(未消化物)は完熟するまで待たなければならないというのが厄介なところ。でも、放っておくと身体の不調の原因になり、そのうち病気を起こす存在です。

そこで、1日も早くアーマがない体にするために行うのが「アーマ・パーチャナ」アーマの排出方のこと。この中で、アーユルヴェーダで一番勧めがちなのが「断食」です。理由は簡単で、消化しきれないものが消化管に溜まっているのだから、まずはそれ以上消化に負担にかけるものを入れないという合理的な理由からです。

ですが、これはあくまで個人的な意見ですが、断食も正しい方法で行わなければ、アーマ・パーチャナになるどころか消化力を乱し、ただでさえ落ちている夏の体力をさらに落としかねないので、夏のアーマ・パーチャナとして断食を勧めるのはちょっと危険かな?と思います。

もちろん必要以上に食べなくて良いので、ちょっと一回食事を休むくらいなら良いのですが、
・アーマが溜まってる!

・とりあえず断食しよう!

・断食しすぎて、ただでさえ夏の体力ないのに、さらにバテた
となったら大変です。

さらに、最近、セッションを受けてくれる方に、過去に過激なダイエットをして(特に17歳くらいから大学生にかけて、女性の体を作る大事な過程で)無月経になっている方が多すぎてとても胸を痛めています。

断食はダイエットとは違うのだけれど、それが十分に伝わらずにただ食を抜くことに夢中になる方もとても多い。それよりもまずは「自分の今の消化力に合った食べ方をする」ことから始めた方が無難です。

消化力が落ちやすい夏、アーマが溜まってるなあ、と感じることがあればむやみに断食をするよりも「消化力にあった食べ方できてるかな?」と見直すことからしましょう。

消化力に合った食べ物の選び方は?

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アーユルヴェーダでは、全てを「性質」でとらえます。温性か、冷性か。重性か、軽性か、といった具合で性質の組み合わせはたくさんあります。使い方としては「この食材は温性だから、寒い時期や体質が冷性な人にとって良い」「この食材は冷性だから、暑い時期や体質が温性の人にとって良い」といった感じ。

人や季節のドーシャ(体質)にも性質があり、基本的にはその逆の性質を選ぶことが養生になるのです。私にとって、ここがアーユルヴェーダの好きなところの一つです。

冷性というと「体を冷やすからダメだ」と温活至上主義の人はなりがちだし、栄養学に囚われている人だと「鉄分はどうしたら摂れるの?」と躍起になりそうですが、アーユルヴェーダの捉え方は「全てはバランス」ということがここからもわかるはず。

食材に良し悪しはなく、全ては自分の性質との組み合わせでバランスするものを選べば良い。人間関係と同じですねぇ。

というわけで「なんとなく食欲がないな」「消化不良になりやすくなってるな」という時はできるだけ軽い性質で、温かい性質のものを選ぶのがおすすめです。

よく使う食材で、消化の軽いものの選び方を記載しておきます。
●肉類…お肉だったら牛肉や豚肉よりも鶏肉。肉は体の大きさ順に消化の重さが決まります。羊などのジビエは夏には熱すぎるので控えましょう。
●主食…お米の場合は玄米より白米。新米より古米。パンとお米ならお米の方が消化に良いです。
●野菜…野菜の種類の中にも重い、軽いはありますが、野菜に関しては生野菜より火入れした温野菜、炒め野菜の方が消化に軽いと覚えておく程度で良いので楽ちんです。

また、温かい温度に調理していてもコーヒーや豆乳などは、実は体を冷やす冷性の食材なので、摂りすぎると消化の力を落としてしまいます。

生姜・岩塩・レモンを活用する

溜まってしまったアーマの排出を助けることを「アーマ・パーチャナ」もともと落ちやすい消化力をサポートすることを「ディーパナ・パーチャナ」と言います。

その両方に適用するのがアーユルヴェーダで最も有名な食事法「生姜・岩塩・レモン」を使った「食前の生姜」です。

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テキストでのお話と、料理のレモンストデーションの動画(*動画は2020年4月以降)の両方があって、見ながら実際に食事を作って楽しめるところがポイント。

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