見出し画像

わたしがeatreat.料理教室に「レシピの作り方」とつけた理由

料理教室に参加して学んだレシピ。おうちでどれくらい再現していますか?
わたしは「ほぼやっていない」のが現実です。
理由は「レシピが暗記できないから」。
暗記できるくらいのレシピでないと、日々の自炊でパッと作ることができません。
そんなわたしでも、お客様に向けて「eatreat.なりの料理教室をやろう」と思い立ち「レシピの作り方」という一風変わったタイトルのイベントを始めた理由をこのnoteで書いていこうと思います。

「レシピ」より「レシピの作り方」を伝えたい

eatreat.CHAYAを開店して半年、常連さんから「静香さんの料理教室を受けてみたいな」と嬉しい声をいただくようになりました。
「でも、お店のレシピを伝えても、自分がそうであるように自宅で再現したくなるようなレッスンでなくては意味がないのではないか」と悶々としていたとき、思い出したのがこの有元葉子先生の本でした。

イタリア家庭料理研究家の大家である有元先生が「レシピを見ないで作れるように」と書いたこちらの本は、そのタイトルだけでもハートをわしづかみにする素晴らしい一冊。
そのメッセージの通り、この本ではレシピらしいレシピは一つも登場せずに65品の料理の作り方を伝えています。
Amazonで公開されている一ページを引用してみましょう。

スクリーンショット 2020-06-08 20.34.04

一見簡単に見えるのになかなかおいしくならない野菜炒め。プロが作るとひとつひとつの野菜が生きておいしい料理ですが、それは素材の特徴を捉えて微妙な時間差をつけて炒めていくからです。
有元先生はそれを「オイルゆで炒め」で自宅でも簡単にできるように、ひらたい文章で伝えてくれます。工程の長い複雑な料理を体得した方だからこそ翻訳できるわかりやすく、覚えやすいテキスト。これだ!と思いました。

アーユルヴェーダの食事法を、テーマに合わせて

画像2

こうして、2020年1月からはじめたeatreat.の料理教室。身体と心を整えるアーユルヴェーダ料理「レシピの作り方」というタイトルをつけました。
アーユルヴェーダの料理は、個人のその時々の「消化力」に焦点を当てて、食材本来が持っている温かい、冷たい、重い、軽いなどの性質を足し算、引き算しながら組み立てていくものです。

わたしは毎月テーマを立てて、それに沿った主役のスパイスとおすすめの調理法、身近で役立つ食材をお伝えしています。
例えば1月はこんな具合です。

「胃腸を休めるレシピの作り方」
主役のスパイス:クミン
おすすめの食材:大根
menu:*雑穀のキチュリ/ *大根と生姜と柑橘のスープ / *わさび菜のトーラン / ゆずサンボル / 蕪と塩昆布のアチャール / 紫キャベツとジャガイモのくたくた煮

まず「胃腸を休めたい時ってどんな時?」と自己紹介をかねてひとりひとりお話ししてもらいます。単に「胃腸を休めたい」といっても「お腹が重たい」「お腹にガスがたまっている」「胃がキリキリしたり、ムカムカする」と人それぞれ。
その訳をアーユルヴェーダ的に解釈し、どんなときも味方になってくれる消化促進スパイスの王様「クミン」の活かし方をお伝えします。

画像3

後半はデモンストレーション。スパイス料理はその香りを活かすため、調理時間が短くあっという間にできるものばかりですが、オイルにスパイスの香りを移したり、油の使い分けなどにささやかで大事な秘密がたくさん隠されています。
eatreat.CHAYAはカウンターキッチンだから、こんな風に調理を間近で見てもらいながら五感で記憶に残してもらうことを大切にしています。

画像4

そして食事の時間。
盛り付けの順番や、サラダの盛り方で大切にしていること、副菜の並べ方で最終的に視覚でも「おいしい」と感じる工夫をお伝えして、みんなの分はみんなで盛り付けてもらいます。

次にお会いした時に「あのスープ、リピートしています」と言われるように

画像5

こんな風に工夫してはじめた料理教室は、リピーターさんがかなり多く、会うたびに「あの大根のスープ、何回も作ってます」「サンボルがおいしくて、もう何回作ったかわからない!」と言われるようになりました。
言われるたびにわたしは心の中でにんまりしてしまいます。そんなにたくさん作るようになったら、もうテキストは見返してないはずだからです。
同じ食材でなくても、その日冷蔵庫で目があった野菜でアレンジして、その違いを味わうのが日常の料理。そんな風にして、eatreat.流のアーユルヴェーダ料理が少しずつ皆さんの家庭に浸透していることを嬉しく思います。

コロナ禍をきっかけに、様々な形で参加できるように

嬉しいことに募集と同時にすぐにお席が埋まるようになっていた3月、新型コロナウィルスの感染が拡大し始めました。
遠くから電車に乗って来店することが不安な方や、隣り合っての長時間のレッスンはやりにくい雰囲気があり、考え抜いた末にオンラインも始めました。初回はてんやわんやもしたけれど、お客様の協力もあってとてもおもしろいコンテンツに育ってきました。
ちょうど6月の料理教室も募集し始めているので、ご参加の方法とどんな内容か簡単にご紹介しますね。

①見て、食べて、楽しみたい!リアル料理教室

平日昼と夜に1回ずつ開催する店舗での料理教室。前述の通り、セッションとわたしのデモンストレーションののち、ワンプレートを食べるまでがイベントです。
テキストが以前よりわかりやすくなり、お土産にはレシピが作れる複数種類のスパイスセットと三茶ファームの美味しい有機野菜がついてきます。
スパイスの香りを実際にかいで、味わって五感をフル活動させたい!方向けです。

②自宅のキッチンで一緒に作りたい!オンラインの料理教室

事前に撮影したわたしのデモンストレーション動画とテキスト、スパイスセットを郵送で送付し、当日zoom越しにみんなが自宅キッチンで作る様子をわたしがサポートする。という一風変わったスタイルです。
ご自宅のキッチン事情により難しい方もいるかな?と思いましたが、5月の開催ではそれぞれの鍋の中を画面越しにのぞきこんで「もう少しだね」「あ、いい感じ。待っていてください」なんて声をかけあいながら、わきあいあいとできました。途中で煮ている間は、わたしのショートギャグも聴けるという特典付きです。

③noteとBASEのスパイスセットを購入して、自分時間に楽しみたい!

今ご覧いただいているマガジンでは、月々の料理教室の内容をコラム形式+デモンストレーション動画で配信しています。月々1500円ですが、ボリュームある料理教室のnoteに加えて、プチレシピも時々配信していますのでお得。
BASEの「料理教室のレシピが作れるセット」も合わせて購入すれば、自宅でワンプレートが簡単に再現できます。
小さなお子さんがいたり、仕事の都合上イベントには参加しづらい方向けです。

④番外編:オンラインキッチンのイベントは、ゆるくお酒を飲みつつ

オンラインでの料理教室が楽しくなったので、美食倶楽部のみなさんがはじめた「オンラインキッチン」にも出演しています。こちらは主催イベントよりゆるく、お酒を飲んだりしながら。金曜夜のリラックスタイムです。

いかがでしたでしょうか?
アーユルヴェーダの健康法は「食事」がもっとも大切。身体の内側からすっきりと整えたい!という方、この機会にeatreat.の料理教室に参加されてみてはいかがでしょうか?
ご参加、お待ちしています^^

ここから先は

0字
テキストでのお話と、料理のレモンストデーションの動画(*動画は2020年4月以降)の両方があって、見ながら実際に食事を作って楽しめるところがポイント。

eatreat.で月に1度開催する料理教室のオンライン版。「胃腸を休めるレシピの作り方」などテーマに沿って生活と食事のレシピを動画付きでお…

サポートしていただいた分は、古典医療の学びを深め、日本の生産者が作る食材の購入に充て、そこから得た学びをこのnoteで還元させていただきます^^