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12月:新春に向けて、体をリセットするレシピの作り方〜暮らし編

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クリスマス、お正月を過ぎて年を越すと、アーユルヴェーダの季節では「厳冬」もっとも厳しい冬がやってきます。1年で寒さが極まる季節ですが、土の下では春に向けた準備が徐々に始まります。暖かく陽の光を浴びる日を待ちわびて、生命が外に開いていく動きです。
これは人間の身体でも同じことが起き、一番寒さが厳しい時に開く準備をしておくことで「春のデトックス」に成功することができます。デトックス、ダイエット。女性なら誰もが気になるキーワードですが、それが一番うまくいきやすいのが、寒いところから暖かいところへと開いていく季節なんですね。
というわけで、今月は身体をリセットする第一段階!とも言える暮らしのレシピのお話です。

体質改善は、丁寧な準備と回復が鍵になる。

なかなか落ちない体重。長年付き合っても治らないアレルギーや冷え、肌荒れ。なぜうまく行かないのでしょうか?それはだいたいにおいて、突発的な対処療法や症状という「点」にだけ意識が向かっていることが原因だと思います。
そんな中「点」だけでなく「点」を含む身体全体をホリスティック(統合的)に捉え、長期的な目で行う治療を行うアーユルヴェーダは、どんな物事にも「丁寧な準備と回復」が大事だと伝えてくれます。

具体的に言えば、頭痛がある時、アーユルヴェーダの治療では医師やカウンセラーがその頭痛に対して、
・いつ頃から
・どれくらいの頻度で
・どのような痛みが
現れているか聞くだけでなく、頭痛が始まってからこれまで、
・お通じの調子
・睡眠の質
・運動の質と頻度
・食事の内容と空腹感、満足感
といった、一見頭痛と全く関係のないことまで聞きます。

頭痛だけでなく、腰痛に対して肥満具合を確認したり、アレルギーに対して数年前の失恋のショックについて詳しく聞くこともあります。

外傷を除けば、人の身体に起きる症状自体、突発的に生まれるものではなく、長い間、体内で少しずつ少しずつ蓄積しています。それが、太陽の下に出てきた草木の芽のように「ようやく表面化」したもの。
ダイエットやデトックスも同じように捉えて、春という抜群のタイミングに合わせ、せめて冬のピークから準備を進めていくことで気持ちよく体感することができるのです。

1-3月はvata(風)とkapha(土)が上昇する期間。温めることが共通点。

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大気中では冷えが加速し、乾燥する厳冬の季節。この時期は、
・性質は「乾・冷・軽」のvata(風)
・性質は「油・冷・重」のkapha(土)
の両方のエネルギーが上昇します。

性質のところをよく見てみましょう。「乾」と「油」「軽」と「重」は両極端ですね。アーユルヴェーダは増えやすいドーシャの性質の反対を行うことが治療になるので、この場合、乾燥に気をつけて油を取り入れればいいの?重くなりすぎないように軽くすればいいの?と迷ってしまいそうです。

まず言えるのはvataとkaphaの共通点はどちらも「冷性」であるということ。冷えているのです。とにかく冷えやすいのだから、温めることは共通点として取り入れましょう。

一方、両極端のものに関しては、どちらかというとより増えやすいドーシャにアプローチしたほうが良いので、春に向かうこの時期はkaphaケアを優先しましょう。つまり「油」の摂りすぎで「重くなる」ことは避けたほうが良いのです。

kaphaは「受容する力」。
栄養を体内に固定させ、記憶し、味覚を司るエネルギーです。
ネガティブな要素は「停滞」しやすく、「溜め込み」やすいこと。

・寝ても寝ても眠い時の倦怠感
・前向きになれない気持ちの停滞感
・過去やもの、人の存在に執着する心
・舌ゴケ、便が臭くなりトイレに張り付く
など、感情面でも身体の面でも「未消化物(=アーマ)」が増えている状態で、こうした心理状態を「tamas(タマス)」と言います。

消化できないものを増やす原因とはなんでしょう?それは、
・消化に重たいもの
つまり、体温から程遠い冷たい食べ物、胃腸が一生懸命働かないと消化できない時間の経った食べ物、保存のきく食べ物。といったように、食べ物が言及されることが多いです。

もちろん、そうした食べ物をとった上で、
・二度寝を繰り返したり、長時間寝すぎる
・運動をしないでだらだらお菓子を貪る
といった自堕落な暮らしをすることも原因になります。

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テキストでのお話と、料理のレモンストデーションの動画(*動画は2020年4月以降)の両方があって、見ながら実際に食事を作って楽しめるところがポイント。

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