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自分を信じるということ

顔を洗おうとして 触れる冷たい皮膚
手を滑らせるとそれは
首へ 胸へ 腹へ 尻へ 腿へと
一枚でつながっていて 途切れることはない

この一枚と、誰かの一枚を重ね合わせるとき
なぜこの皮膚が
一枚に繋がることはないのだろうと
相手を愛おしく思うほど 不思議に感じる

どんなに温もりを分けあっても
ばらばらになるのはいとも簡単で
繋がらない隙間を 人は言葉で埋めようとする

愛していると言葉にしてほしい
信じていると伝えて 
許していると抱きしめてほしい

どこまでいっても満たされない思いを抱えて
顔を洗おうとして 冷たい皮膚に触れて
気づく わたしはどこまでいっても
一枚の皮膚だということ

どこまでいってもこの一枚の先はなく
ひとはひとりなのだと 当たり前に気づく
皮膚に触れてこの皮の奥まで温め
満たすのは 他の誰でもない
自分なのだと気づく

愛を 信頼を 許しを
声にしてかけるべきは自分の言葉で
鏡の中の自分に 何か一つでも
悪くないじゃない
そう言ってあげて

ばらばらになった皮膚と皮膚が
近くに寄り添う明日も
愛おしい相手が目の前で笑う未来も
何もかも
自分が自分を信じるということから
始まるのだということ


サポートしていただいた分は、古典医療の学びを深め、日本の生産者が作る食材の購入に充て、そこから得た学びをこのnoteで還元させていただきます^^