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【中国留学】ChatGPTが原因でルームメイトと喧嘩になった


「AI」いわゆる「ChatGPT」が世の中に出てきてから、時代がまた一つ進んだなと実感している今日この頃。

性能が良くなったiphneのSiriみたいな感じで手軽で使いやすいので、私は思考を整理したい時や、外国語の文章添削の際によく活用している。

みなさんも使っているだろうか?

ChatGPTとの会話事例

今日はそんな便利なChatGPTが元になって発生した、ルームメイトとのいざこざを紹介したいと思う。


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事前情報として、
現在私は中国留学中で、28歳の東南アジア人のルームメイトA君と学内寮の2人部屋で暮らている。

寮費は無料だが、
水道光熱費は、月はじめに前月の使用分が実費請求される。
その金額を2人で折半して支払っている。

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そんなA君との共同生活が4ヶ月目になる頃、水道光熱費の支払いをめぐって意見が対立することになる。

3月5日、水道光熱費:151.2元の請求がくる。
1月中旬〜2月下旬まで春節期間(中国の正月)で長期休暇になっていたので、今月は1月と2月と3月の4日分(63日分)の請求がまとめて来ていた。

また長期休暇中は、私が日本に帰省し、A君は中国に残ったので、私の中国不在期間の水道光熱費は、すべてA君が使用していることになり、費用も彼が負担するとのことだった。
なので私の今回の支払い額は、全体の3分の1ぐらいかな〜と感覚的に思っていた。

私が請求額をパパッと計算すると、A君が117.6元、私が33.6元に。
寮にはA君が先に払ってくれていたので、その額をA君に説明し送金完了。
さてと、ご飯でも食べに行こうか〜と思っていると・・・

A君が少し不満そう。追加で33.6元を払ってくれないかと要求してきた。

どうしたの?と問うと、あなたの計算は間違っている!とのこと。
あ、ごめんごめん。もう一回計算してみるよ!と返答し、再び計算。
しかし、どうしてもA君が請求している額にたどり着かない。

おかしいなと思い、逆にA君の計算式を見てみたくなり、A君にどうやってこの額を出したの?と聞くとペンを取って説明してくれた。が、、、A君も途中でこんがらがってしまいどうしても請求された額にたどり着かない。

この時、A君自身が請求している額にたどり着かないのは面白い!と思ってしまい、深く追求してみることに。
そしたら携帯を取り出し、一言放つ。

「ChatGPTがこの額を請求している!、だからあなたは間違っている」と。

一瞬、まじか俺やらかしてしまったと思ったが、一度冷静になって詳細な内容を見てみることに。

下記が実際私がドンッ!と見せつけられたChatGPTとの会話内容だ。

1月1日から3月4日までの期間は63日間です。あなたが帰省していた期間は1月22日から2月25日までの1ヶ月と4日間で、この期間は35日間です。

したがって、あなたが不在だった期間の寮費負担額は63日間 - 35日間 = 28日間です。

次に、1日あたりの寮費を計算します。151.2元 ÷ 63日間 = 2.4元/日です。

最後に、あなたとA君の寮費負担額を計算します。

あなたの負担額:28日間 × 2.4元/日 = 67.2元
A君の負担額:全体の寮費 - Aの負担額 = 151.2元 - 67.2元 = 84元

したがって、あなたとA君の寮費負担額はそれぞれ67.2元と84元になります。

 By ChatGPT

論理つけられていて、いかにも正しい雰囲気を醸していますが、やっぱり金額に感覚的違和感を覚える。
なぜ私は全体の約1/3の日数しか中国に滞在していないのに、負担率は全体の半分に近いのかと。
ただ私も違和感を感じているだけで即座に反論できない。

彼はこのChatGPT様の回答を根拠に67.2元を請求するスタンスを維持。
形勢逆転したかのように、私に払え払えとプレッシャーを与えてくる。

A君の携帯画面を見せてもらいながら、もう一度本当に正しいか確認する。
ん〜まだ違和感が解けない。
そうだ逆に私も質問してみようと思い、直接ChatGPTに聞いてみることに。

なぜ私の負担がその金額になるのか理解できないので、もう少し分かりやすく説明してもらえますか?

By 私

申し訳ありません、もっと分かりやすく説明します。

まず、寮費を1日あたりの料金で計算します。寮費の合計額151.2元を期間63日で割ると、1日あたりの寮費は約2.4元になります。

次に、あなたが帰省していた期間を考慮します。あなたが不在だった期間は1月22日から2月25日までの35日間です。この35日間の間、あなたは寮を利用していないため、あなたが支払うべき寮費は発生しません。

残りの期間、つまりあなたが不在ではなかった期間の寮費負担額を計算すると、63日間からAが不在だった35日間を引いた28日間になります。そして、この28日間の寮費負担額を1日あたりの料金2.4元で計算すると、あなたの支払うべき寮費は約67.2元になります。

したがって、あなたの寮費負担額は67.2元です。A君の寮費負担額は、寮費の合計額からあなたの支払い分を引いたもので、これは84元になります。

つまり、あなたとA君の寮費負担額はそれぞれ67.2元と84元になります。

By ChatGPT

おぉ、なるほど、ChatGPTの考え方がここで理解できた。
GPTはただ単に私の滞在日数(28日)に1日当たりの費用(2.4元)を掛けて67 .2元を導き出して、それ以外をA君の負担ということにしている。

しかし、私が寮に滞在している日数は当然2人暮らしでA君も滞在していることになり、GPTの計算ではその間のA君の費用負担が皆無になっている。
問題はここだと気づいた。

私が帰省する前も、不在の間もA君はずっと寮に住んでいました。
その場合、費用負担率がかわってきませんか?

By 私

申し訳ありません、理解に誤りがありました。あなたが帰省する前も、帰省中もA君がずっと寮に住んでいた場合、費用負担率が変わります。あなたが不在の期間にもA君が寮に住んでいるため、あなたが不在の期間の寮費を支払う必要はありませんが、A君は通常通り寮に住んでいるため、寮費の負担は変わりません。

ですので、A君の寮費負担額は変わらず、寮費の合計額からあなたの支払い分を引いたものになります。

寮費の合計額が151.2元であり、あなたが帰省していた期間の寮費負担額が67.2元であることを考慮すると、A君の寮費負担額は次のように計算されます。

A君の負担額 = 寮費の合計額 - あなたの負担額
A君の負担額 = 151.2元 - 67.2元
A君の負担額 = 84元

したがって、A君の寮費負担額は84元になります。
あなたとA君の負担額は、それぞれ67.2元と84元になります。

By ChatGPT

だめだ、こいつはもう正しい答えを導き出せない。
というかA君がこいつに与えた前提情報が間違っている可能性がある、と思い自作で図を作りA君に説明することに。

実際に作った図

これを見たA君少し怯む。素直に受け入れたくない様子。

A君「あなたの意見は分かった。でも念の為に寮母立ち合いでもう一度説明してほしい」と謎の展開へ。どうしても納得行かないらしい。

まぁいいかと思い、2人で寮母室へ。
寮母は私達2人を見た瞬間に電卓を取り出していたので、一瞬で意図を察知していた模様。(寮生活あるあるのいざこざなので笑)

そして寮母へ説明後、寮母からもあんたの計算が正しいと、お墨付きをもらうとA君は深いため息をついて黙り込み、無言で部屋に戻って行った。

ご飯を食べ終えて部屋に戻ると少し拗ねた感じのA君。
なんかこのまま一緒に半年過ごすのも気が引けるので、ご飯帰りにコンビニで買ったお菓子と飲み物を手渡した。仲直り的な?
すると、少しだが機嫌をとりもどした模様。
ルームメイトとの関係性がよくなることに越したことはない。
そんなA君とこれからも留学生活頑張ってこうと思う。


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今回の一件で思ったのは、ChatGPTは計算が苦手な人々の答え(根拠)になることができるということ。

私はChatGPTが完璧ではなく、誤った答えを言うこともあると理解しているが、A君のようにChatGPTは完璧で万能と思っている人も少なくない。

そのような人々にとってChatGPTの答えは「絶対」になりうるし、それらを「根拠」として話を組み立ててくると、今回のような問題ならまだしも、今後大きい問題になりかねないと考えている。

今回ChatGPTの答えを見せられ私も一瞬怯んだが、もう一度自分で計算してみてほしい(考えてほしい)、使用者がChatGPTに伝える前提条件を今一度見直してみてほしい。すると正しい答えに辿り着けると思う。

色々と気をつけましょう。

それではまた。







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