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現代における“会(かい)”文化のアップデートについての考察|#食文化研究

わたしたちEATLABが拠点としている石川県は、全国的に見ても非常にクローズドな集まりが多い地域かもしれない。あまり表立って告知することも参加者を募集することもしていないような催しや看板のないお店をよく見かけることがある。その代表例としてあげられるのが“会(かい)”と呼ばれる文化だ。

いわゆる「◯◯会」とか、「会合」とかいった類のものと言ってしまえばどこにでもあるように感じるかもしれないが、“会”というそのひとことでひとくくりにされていて、特にそれがなんの集まりか、は、集まる人たちしか知らないような、そんな集まりであり、まわりの人たちも、あえてそれが何の会なのかは聞かないようなところがある。

日夜、石川県のあちこちできっと催されているこの“会”は、昔から行われてきた文化なのでこれまでは知り合いの中でアナログメディアでのみ告知され、あえて戦略的に行われることも、“会”の文化について考察されることもなかったのだと思う。しかし、わたしたちは、今、インターネットで広く繋がることに疲れがちなこの現代において、この“会”文化を考察することにこそ、これからのお店や食事を伴う場づくりのヒントがあるのではないかと考えている。

というわけで、前置きが長くなったけれど、今回は、そんなわたしたちが思う「現代における“会”文化のアップデート」についてお話ししたい。(書き手:フードディレクター 瀬尾裕樹子)

豊かな文化が下支えする、“会”の文化

何かにつけてクローズドな“会”が催されている石川県。おそらく古くからあるお付き合いの中で生まれた文化なので、主に男性が集まっていることが多い印象がある(とはいえ女性が会をやったらダメというような男尊女卑的な決まりも特にないのだけれど)。

たまに、人生の先輩方のお誘いを受けてそう言った、いわゆる“会”にお邪魔したときには、

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