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【君からの手紙】新マスク文庫|「拝啓」七田苗子

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新マスク文庫の「拝啓」七田苗子×ジユンペイ こちらの小説へのお返事となる、「君」からの400字のお手紙。 採用作品は「拝啓」の裏に印刷します。
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#ジュンペイさん

前略ごめんください

前略ごめんください

(みけにゃんさんありがとう♪こちらの企画に参加させていただきます♪)



ー 私は今、笑顔です。

あなたが木の下に来てくれた時、わたし、隣にちょこんと座っているの。そうして、うたた寝をしたり、あなたの顔を眺めたり。目に見えたり触れたりはできないけれど、一緒に葉っぱの歌声を聴いています。

だから、いつだって笑顔でいられるのよ。

風が半分だけ夏の香りになった日に、あなたの手紙は風が届けてくれ

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耳を澄ませて・・・「投稿作品」

耳を澄ませて・・・「投稿作品」

(雲の上のわたしから、木の下のあなたへ)

あら コーヒーの香り・・・

あなたの入れてくれたコーヒー

わたしがカットするとき

あなたの髪に残っていた香・・・

ちょっぴり長めで優しいカール

切りすぎないでね

サラサラと葉の揺れる音・・・

お気に入りの曲も聞こえる

やさしい音・・・

幹のなかを通って来たからかしら

こちらはね

朝日がのぼるとき

夕日がおちるとき

空一面が絵にな

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笑顔の私より

笑顔の私より

 おじいさんたらいやですよ「君」だなんて若い時みたいに仰って。

 それに「いつもの丘」って言うけど、一緒になってからは、私がお願いしたって一度も二人で行かなかったじゃありませんか。

 夏が来るたびに私の歳を数えるの、いい加減およしになって下さいね。

 それにご自分も良いお歳なのですから、子供達や孫達に心配かけないようにしてくれないと困りますよ。

 ー 風に乗ってあの曲が聴こえてきました。

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