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トップ・ガン世代の絶対的戦闘機。〜ドッグファイトと翼の秘密〜

映画トップ・ガン。続編が出るということで、再び33年も前の映画が脚光を浴びてますね。続編『トップガン:マーベリック』は2020年公開予定。トム・クルーズの主演はもちろん、アイスマン役のヴァル・キルマーもそのまま! トムの若さにはビックリします。いやー、今から楽しみ。

しかし今日ご紹介するのは映画じゃなくて、オリジナルのトップ・ガンで空を飛び回った戦闘機、

グラマンF-14"トムキャット"です。

とにかくこの戦闘機、形がカッコいい。

どこがカッコいいんですか! 機首でしょ!

ということで、戦闘機は機首付近にパイロットが乗りますから、写真でも何でも機首付近を目にすることが多い。なのでデザイン至上主義の皆さまにとって機首のカタチは重要でしてね。
でこの機体は2人乗り。元々1人乗りの機体を2人乗りバージョンにした機体は、

失礼ながらバランスが悪い。

ご覧ください。

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↑これ、F-18E。単座型。に比べ、こっちどうですか、複座型のF-18F。↓

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別にー。

という人もいるかもしれませんが、圧倒的に単座のE型の方がバランスが良くてカッコいいと思います。

次にこちら。

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↑ユーロファイター・タイフーンの単座型です。カッチョいい! で、こちら複座型↓

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…もはや、違う機種みたくなっちゃってますやん?

そこへ持ってきて、トムキャットは最初から複座専用設計ですから。だからマーベリックとグースの物語も成立したわけで。ドーン💥

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ね、複座なのにカッコいい!

イヤイヤ、大幅に話が逸れました。

ドッグファイトの話するの、忘れそうでした。

映画トップガンで、主役のマーベリックとグースがトップガン(米海軍戦闘機兵器学校)に選抜された際、最初の講義で教官がこんな話をします。

「朝鮮戦争では撃墜被撃墜比率は7:1(つまり1機落とされるまでに7機撃ち落としていた)だったものが、ベトナム戦では2.29:1になり下がった。だからお前らを叩き直す! 」的な。

そう、前回のF-8クルーセイダーの回でお話ししたように、

極端なミサイル偏重主義が、パイロットの操縦技量の低下を招いた

ってわけです。トムキャット自体はドッグファイトを目的に開発されたワケではないものの、生まれもったその運動性で、ドッグファイトでの優秀性を発揮しました。1世代前のF-4では標準装備から外された、

ガン(機関砲)も戻ってきました。

冒頭写真の「200」の下に銃口が見えます。

で、なぜ運動性に優れていたか。

これです。ドーン💥

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からの、バーン💥

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ご存じ可変翼!

自動的に、低速時は翼を広げて揚力を稼ぎ、短い距離での発着艦を容易にするとともに、高速時は翼すぼめて空気抵抗を減らすという、

夢の機構。

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このカッチョいい戦闘機が退役するときはホント、なんか悲しかったもんです。現役機よりカッチョ良くないですか?

ということで、本日はこの辺で。以降、映画に関して追記です…

追記(以降、よりマニアックです):

元々、映画トップガンは米海軍パイロットの物語。
しかし新作"マーベリック''のプロモーション版を見ると、空母から発艦するシーンはF-18で順当(海軍の現役機)なんですが、ドッグファイトのシーンでは、なぜかF-22(バリバリの空軍機)が出てきます。
ここら辺になんだか大人の事情を感じます。海軍ばっかりやるなよ、なんて横槍が入って、空軍に気を使ったとか…。

いいんだけどなぁ、海軍機だけで。

いや空軍がイヤとかじゃなくて、

トップガンは海軍の野郎どもの話

なんですよね、本来。空母で紛争地に出張って行って警戒飛行をやるなんて、海軍ならではのストーリーなんだから。

1作目で印象的だった、クーガーが着艦前にパニくるシーンなんかは、空母に着艦しない空軍では起こりえない話だし、あと、フライトジャケットにベッタベタにパッチを貼るのも、海軍の文化ですから!

劇中で、ちゃんと事情を説明してくれるかなぁ…例えば海軍と空軍の合同教育プログラムで、米軍最高の腕を競うんだ、とか。  

ここら辺、海軍ファンにとっては、ちゃんとしておいてほしいところなのです…

別にー。

って言われそうですが。

それでは、またー。

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