このクルマ、なーんだ? ミニカーから紐解くWRC⑦イタリアン・ジョブ。
どーですか、このやる気まんまんのエアインレット。"シュノーケル"とも呼ばれていますね。そしてこのカラーリング。イタリア感バリバリ。
さて、このクルマ、なーんでしょうか?
答えは、
フィアット アバルト X1/9 プロトティーポ
でした! 車名に「X1/9」は入らないという説もありますが、この際、いい加減で良いんです。ベース車がX1/9だとわかることが重要なので。
そのX1/9というのがこちら。
カッコえぇー
ミッドシップ2シーターに、リトラクタブルライトを備えたお手軽スーパーカー。元・愛車です(泣)。これが、こうなる。
これもカッコえぇー
これを、Altaya製1/43ミニカーでみると、こうです。
ヘッドライトが固定式に。そしてバリバリのオーバーフェンダー。
特徴的なシュノーケル。そしてサイドのデカいエアインレット。このモデルではアバルトのホイールのパターンもなかなか緻密に再現されてます。こういうデザインのホイール、最近ないんですよね。
プロトティーポ、というのはプロトタイプ、つまり試作車といった意味ですね。その名の通り、当時WRCを124ラリー アバルトで戦っていたフィアットが後継車として開発し、イタリア国内ラリーではめちゃくちゃな速さを発揮しました。
しかし、同じ企業グループとなったランチアのストラトスがすでに活躍していたことと、ベース車が売れることがWRC参戦の意義の一つであることから、ベース車をファミリーカーのフィアット131にするという決断が下されたことで、WRCの表舞台に立つことはありませんでした。でもそういうプロトタイプにこそ、
洗練されていない後付け感があって、それがかえって、カッコ良い。(例えばこれとかこれも。)
それに、カタチにやる気を感じる。想像力を掻き立てる。軽くするためにまずライトは固定ね、とか、このシュノーケルからうまく空気が入るんだろうか、とか、フェンダーはこの形で良かったのか、とか、わかりやすいカラーリングだな、とか。
X1/9ベースの競技車には、かのダラーラが開発したこんなのもあって、なおさら、どうイジったらもっとカッコ良くなるかな、と考えてしまいます。
特にオーバーフェンダーのデザインが全く違っていて興味深いです。サイドに描いてあるアルフベットは、イタリア語でicsはエックス、unoは1、noveは9のこと。繋げてイクスノノーヴェ、といった発音になるそうです。それって、日本語だと
"えっくすわんないん"
って車体に描くようなもので、
そんなこと、します?
でも、カッコ良いんですよね。やっぱりイタリアン・ジョブは偉大だ。
それでは、またー!
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