傑作戦闘機"いじわる女"。 〜デハビランド・シービクセン
突然ですが皆さん、写真の戦闘機、ご存じですか?
デハビランド・シービクセン
っていいます。'60年代から'70年代にイギリス海軍で活躍、一時期、主力を担った戦闘機です。
一番の特徴は、主翼から伸びて尾翼を支える2本の棒。"テールブーム"と呼ばれています。2本だから、
ツイン・テールブーム。
真上から見ると翼の後退角度の具合もよくわかります。この後退角も絶妙。
写真で気づかれたかもしれませんが、2人乗りで、パイロットの席は機体の中心線からズレてます。こりゃ着艦のとき、見にくかったかも。(海軍機なので、着陸じゃなく、着艦なのです)
で、なんと隣のレーダー手の席は、この盛り上がりのないガラスの下ですから、
前が見えません。
しかしこういう特徴というか、個性があって、全体としてデザインがキレイな飛行機はカッコ良い。このような他にはない圧倒的な特徴を持つ機体、英国機に多いです。
最大の特徴であるツインテールブームを少し遡って見てみると、シービクセンの前身、さらにその前身の飛行機も、やはりツインテールブーム。名前もふるってる。
まず、ご先祖様はこれ。
デハビランド・
バンパイア(Vampire=吸血鬼)。
お膝元イギリスだけでなくフランス、オーストラリアなど多数の国で採用された傑作機です。フレデリック・フォーサイスの「シェパード」という短編に、印象的に出てきます。面白いので是非!しかし、
きゅ、きゅ、吸血鬼って。
そしてこのバンパイアが進化したのがこれ、
デハビランド・ベノム(Venom=毒液)。
ど、ど、毒液って。
戦闘機「毒液」ですよ!? グレート・ムタかって。
そして今回のビクセン(Vixen=女狐、いじわる女)。
い、い、いじわる女って。
戦闘機「いじわる女」ですよ!?(もう、えぇって)。
ネーミングの妙、いや妙?
頭文字"V"で繋ぎたかった気持ちは伝わってくるのですが。
バンパイア、ベノム。ここまでは、愛らしいとか、かわいい、とか、そういう感じですが、シービクセンになってからは、圧倒的にカッコ良い!
カッコ良さの正常進化。
ということで紹介させていただきました。
ただ、さらに進化してFAW.2(シリーズ2みたいなことですね)になると、このように、
燃料を入れる場所を確保するためにテールブームの膨らみが翼の前まで伸びて、ちょっとバランスを崩してしまいます…
最後にご参考まで、ここで紹介したプラモデルのキットは、シービクセンFAW.1はMPM社(メイドイン・チェコ)製の1/72。
バンパイアはコーギー社製1/72ダイキャスト完成品。
でした。
では、またー!
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