見出し画像

聞く姿勢は学びの質を左右する

研修などで話をするとき、うなずいたり表情豊かに聞いたりしてくれる参加者がいるととても話しやすい。逆に相手を値踏みするような姿勢や、険しい表情で話を聞かれると話しにくい。

当たり前と言えば、当たり前である。ここでは聞き手の姿勢に着目して考えてみたい。

うなずいたり表情豊かに聞いたりするということは、「話を聞く姿勢はもっていますよ」「あなたのことを受け入れていますよ」というサインと考える。「あなたの考えに賛同します」ということではないが、話し手のことを理解しようとしてくれている表れと考える。

相手のことを理解しようとすると、例え自分の考えと違ったとしても、相手の考えを深く理解できるので、自分の考えと比較することで、考えをより深めることができると考える。また、話し手のパフォーマンスも高めることができ、結果的には有益な情報等も得やすい。

一方、相手を値踏みする姿勢、険しい表情で話を聞くということは、話し手との間に壁をつくっているということだ。壁をつくるということは、一概には言えないが「あなたは間違っている。私は正しい。」「あなたの話はレベルが低く、聞く価値があまりない。」などのサインの表れと考える。理解しようとする姿勢がないので、自分の考えはあまり深まらないと考える。つまり、話を聞く前と聞いた後に、あまり変化がないということである。

つまり、同じ話を聞いても「聞く姿勢」の違いにより、学びの質や深まりに差が出てしまうわけである。相手を理解しようとする姿勢で話を聞くと、例えあまり話がよくなかったとしても多くの学びを得ることができる。逆にそうでない姿勢で聞いたならば「やっばりつまらなかった。」という感想になるだろう。

「学びがあった。深まった。」かどうかについては、どちらかというと「話し手は誰なのか」「話す内容や伝え方はどうだったのか」など、話し手に影響を受けると思われがちだが、実は聞き手に学びの成否の主導権は委ねられているのである。

聞く姿勢は学びの質を左右するのである。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?