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【元夫は元ヤクザ】決裂#18

元夫のMに「嘘つき」という言葉を何度も浴びせました。

家族旅行から帰って来た日、Mは何も連絡なく外泊をしました。
この頃になると外泊なんて何度もあったのに、なぜだか、この夜は一緒にいたかったのです。
私の中でMとの離婚の覚悟が決まった日でした。

Mと離婚しても何の後悔もしない。たとえ息子から父親をうばう事になっても堂々とあの時、離婚して良かったと息子にも言えるだろう...。
私にできることはすべてやったんだ...と思いました。

人は覚悟を決めると、こんなにも強くなるんでしょうか...。
もう涙もでませんでした。


Mはしばらくすると、仕事を理由に事務所に泊まると言い、本当に帰って来なくなりました。
私はもう覚悟を決めているので、Mがいなくても何とも思わなくなり、たまに会っても喧嘩にもなりませんでした。

そんなある日、レンタルビデオ店から電話がありました。
Mの名前でレンタルビデオを借りていて、返却期間が過ぎていて延滞料金が発生していると言うのです。
そのレンタルビデオ店は自宅からかなり離れていたし、借りているビデオの名前を聞くと恋愛映画のビデオでした。
私はMに女社長以外にも女がいて、浮気をしていると確信しました。
家では任侠映画しか見たことないし、私と一緒でも恋愛映画を見たことがなかったからです。

私はMに電話をしてビデオの事を伝え、恋愛映画をどこで見たのか聞いてみると、事務所で見たとバツが悪そうに答えていました。
私はこんな事まで、嘘をつくのかと怒りより呆れてしまいました。

そして私は、いよいよ離婚に向けて行動しようと思いました。
息子を保育園に預けて私も働き、今の浮気を問い詰めれば、簡単に離婚ができて慰謝料や養育費も貰えると思っていました。


しばらくして、Mと離婚に向けて話し合うことになりました。

私がMがしてきた今までの経緯と離婚したい理由など、そして今も浮気をしていると伝えました。
しかし、Mは
「今まで私を傷つけたことは謝るけれど、浮気はしていないし、離婚をするつもりはない」と言うのです。

そして、Mは外泊の理由を、
「Aの心が自分から離れたから…」と言うのです。
「自分が悪いのは分かっているけど、Aに怒られたくない、前の優しいAに戻ってほしい...」と言うのです。そして、
「Aが変われば、自分も変わるから...」と。

正直、Mからそんな言葉を聞くとは予想していませんでした。
私はMに、
「嘘をつくのは私のせいなの?」と聞いても黙っていました。
そして私は、Mの本心を確かめるように、
「いつの間にかMのことが信じられなくなった。店長になってから、もっとひどくなった気がする...。だから、Mが仕事を辞めてマンションも売って、私も働くから息子と3人で1からやり直す?」と、私からMに本当に最後の提案をしました。

するとMは、
「仕事は辞められないし、今の仕事辞めて生活のレベルを下げたくない」と言いました。

そして最後にMは
「自分は離婚をしたくないのにAが言い出した。自分は浮気もしていない。家族のために働いているのに、どうしてもAが離婚したいと言うのなら、慰謝料も養育費も払わない」
と言い、家から出て行きました。

結局私たちはお互いに、MはMの理想の女性を私に求め、私は私の普通の結婚生活をMに求めていただけのように思えてきました。

そしてあとから、冷静にMの言葉を思い返してみると、Mだけの願望が通るように私を説得して、結局は私の気持ちや息子のことなど、何も考えていないことに気が付きました。

だんだんそんなMに腹が立ってきて、浮気をしていないというなら、浮気の証拠を見つけてMに突きつけてやろうと思いました。








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