夜の一人歩き その2

どこかの大学の先生が

「最近の東京都心には 貧しき労働者の住む場所がなくなった」 などと

古いマルキシズム風の話をしているのをネットで

チラッと見た記憶があるが

労働者はともかく

この夜 庶民の姿を 虎ノ門界隈で見かけることはなかった

日比谷通りを渡って新橋に近づくと

生活臭が戻ってくる

煌々と明るい居酒屋の店先では

道路に出したテーブルで 飲み交わすお客も

そうこれが 新橋だ

銀座に入ると 今度は両手に買い物の紙バッグを下げた

インバウンド観光客らしき人々

もう夜の9時なんだけど 観光客相手の 免税店がやっているのかな

表通りを離れて 裏通りに入ると 何やら長蛇の列

通りすがりに観察すると ラーメン屋さんで 

ここにもインバウンドの人達が

スマホを見ながら 並んでいる

東銀座までの間 ラーメン屋まえの行列が合計4カ所も 

あったのは驚き

銀座にはしっかり 人の動き、営みがある

思い返せば 虎ノ門は綺麗だが 生きていない街に見える 

再開発をどう考えたら 良いんだろう

(完)

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