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マンガ編集Cのイチオシ作品 『月と金のシャングリラ1&2巻(完結)』

はじめまして。マンガ編集Cです。
本日は皆さまに、担当として「今いちばんオススメしたい1冊」をご紹介させていただければと思います。

突然ですが皆さま、『さらば、わが愛 覇王別姫』という映画をご存知でしょうか?
中国文化大革命前の混沌とした時代に生きた京劇俳優たちの愛憎を描き、カンヌ国際映画祭でパルムドールをとった名作でございます。

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故レスリー・チャン(香港の大スター)演じる京劇女形の蝶衣(デエイー)と、幼い頃から長年コンビを組んできた小楼(シャオロウ)、そして小楼の妻、菊仙(ジューセン)が、抗えない歴史と運命に翻弄されながら、貫いていくそれぞれの愛の形。

特に、男性でありながら幼馴染の小楼を愛してしまう、レスリーの美しさたるやもう…、神の域です。
報われることのない切ない愛ですが、最後蝶衣は自分なりに、その愛に対する承認欲求を満たすのです!

てか、あれ? 私…、映画の話をしているよ。/<声が…遅れて…聞こえてくるよ>の言い方で)

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そう、そうでした。私がオススメしたいのは、来たる8月19日に2巻(完結巻)が発売される『月と金のシャングリラ』でございます。

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この作品を始める時、私は著者の蔵西さんに、
「チベット版、『さらば、わが愛 覇王別姫』をやりませんか!!」という、無茶振りを申し上げました。

蔵西さんは、チベットの文化を愛し、チベットの文化に愛され、チベットを舞台にしたマンガをこれまでも手掛けられてきた、超絶技巧の緻密さによる美しき作品を生み出すスペシャリスト。

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見て見て!この美しさったらないでしょう?


私自身も、チベット文化、ダライ・ラマ法王さま、そしてチベットの人々になぜか並々ならぬ愛情を抱いていたひとりでした。
また、たくさんの人たちにチベットの人々が今現在も抱えている問題を知って欲しいとも思っていました。

そして何より、一般的な[普通]から外れてしまっていると思って、コンプレックスを抱える人たちに(私自身がそうだからこそ)、「誰かを愛すること」、たとえそれが恋愛でなくても「誰かに愛されること」の尊さ、「許し、許されること」の幸せを、主人公ダワと共に感じとっていただき、明日への糧にしてもらえたら…という想いでもって、担当させていただいていました。

そんな無茶振りを蔵西さんが見事に自らの作品として具現化して描き切ってくださった。
今作は、まさに珠玉の1品です。

1巻が発売されたのは、今年の4月。ちょうど非常事態宣言下の自粛中です。
残念なことに、多くの方にお目見えすることが叶いませんでした。
でも、2巻は8月に皆さんにお届けできます。本屋さんでもきっとお会いできます!
(1巻に会えなかった方も、今なら1巻に会えますよ!!)

たった2巻でまるで1年続く大河のような読み応え!でございます。

2020年、我慢することが多い年になってしまいました。旅行にもなかなか行けないですね…。
是非ともこの作品を読むことで、日常を離れて、チベットの大草原の中で紡がれる、ピュアで美しい愛の物語への旅路を楽しんでいただけたら…、心より幸いです。

(月と金のシャングリラ 担当編集C)

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8月19日にお会いしましょう!


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