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未経験から出版社へ。先輩の下積み時代(3)

イースト・プレスでは、業界・職種未経験の方の採用も行っています。
(現在の募集状況:https://www.eastpress.co.jp/recruit.html
いま活躍している社員にも、異業種から転職してきた人が多数。
本連載では、そんな先輩方にインタビューし、「どう仕事を覚えていったか」「未経験から出版業界を目指すために必要なこと」などなど伺っていきます。

第3回の先輩は、書店営業のTさんです!


●未経験から書店営業へ

――入社の経緯を教えてください。

T:大学卒業後は、エンタメ系のショップで働いたり、書店員をしていました。そのあと宝石の営業をしていたんですが、あまり合わず……。
書店では10年ほど働いていたので、その経験を活かせないかと思って出版業界の仕事を探した結果、イースト・プレスにたどり着いた感じです。

――書店営業では、どんなお仕事をされているんでしょうか。

T:書店さんに「こういう新刊が出ました」「この本が売れています」 といった案内をして、本を注文していただくのが主な仕事です。街の店舗を回ることもあれば、書店本部のバイヤーさんとチェーン全体の展開について商談をすることもあります。
ほかにも、POPなどの拡材をつくったり、著者のトークイベントがあれば手伝いをしたりと、売り上げにつながりそうなことは何でもやってます。

――幅広い! 書店営業はイースト・プレスで初めてということですが、前のお仕事と比べていかがですか?

T:前職も営業ではあったんですが、やり方はだいぶ違いますね。
宝石営業ではたとえば企業に訪問して、社員の方に「式典用にどうです?」と声をかけてアクセサリーとかを売っていました。一人を頑張って口説いて、高額商品を買ってもらうというスタイルです。
書店営業では書店を回って本を置いてもらいますが、粘って1冊受注をいただいてもそこまでの利益にはなりません。また、置いてもらっても書店で売れなければ返品されることがあります。相手が乗り気でないときは無理に口説かず、別の書店さんに行きます。


●新人時代の苦労話

――最初の頃、どんなことが大変でしたか?

T:はじめは先輩と一緒に書店を回りながら案内の仕方を教わりました。先輩を見て学べたし、面倒見の良い先輩ばかりだったので、基本的な仕事のやり方で困ることはあまりなかったと思います。
ただ、書店訪問に慣れるまでは大変でした。書店員さんは品出しなどでとにかく忙しいので、何も考えずに声をかけると迷惑になってしまいます。ダラダラ話して時間をとってしまうのも良くありません。
どのタイミングで声をかければいいか、短い時間でうまく案内するにはどうすればいいかといった部分は、経験を重ねる中でなんとか身につけていきました。

――邪魔にならないよう気をつけてやらないといけないんですね。

T:店舗ごとに仕入の考え方も違います。売れている本をずっと置いてくれる店舗もあれば、売れている既刊より新刊を優先する店舗もある。何度か通いながら考え方を把握して、それに合わせて案内すると、受注までスムーズになっていきました。今もまだまだ勉強中ですが……(笑)。

――なるほど。

T:あと、「宣伝用に等身大パネルを置きたい」と書店さんから提案があり、パネルを手配したときは大変でした。普段使わない拡材なので、経験のある人に相談して、ほかの部署とも調整しながらなんとか手配したという思い出があります。

――社内でも人を巻き込む力が試されますね。


●書店営業の面白さ

――書店営業に向いているのはどんな人だと思いますか?

T:ビジネスの視点で本を見れる人だと活躍できると思います。「本が好き」という想いが先行しすぎるとうまくいかないので、本の内容だけではなく、数字を見て判断しなくてはいけないというか。

――シビアな目を持つ必要があるんですね。

T:新刊の案内だけならファックスでもできますから、書店営業はちゃんと動かないと「いてもいなくてもいい」という状態になりがちです。経費を使ってまで書店を回ったり拡材を作ったりする意味があるのか、費用対効果を考えるのが大事だと思います。

――なるほど! 今のお仕事の魅力について教えてください。

T:イースト・プレスの場合は書籍のジャンルが幅広いので、案内していて退屈しません。ジャンルが一つしかないと「この書店で児童書は売れない」などと断られたときに何もできませんが、イースト・プレスでは「じゃあビジネス書を」といったふうに別のジャンルの案内ができます。提案の選択肢が多く、どの書店でどの本を売るか自分で考えながらできるというのが、イースト・プレスで書店営業をする魅力だと思います。

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本連載では、イースト・プレスで働く先輩方から下積み時代のお話を伺ってきました。
第1回ではBL編集と電子配信、第2回ではコミック編集のお仕事についてインタビューをしています。

ぜひ、ほかの回ともあわせてご覧ください!

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