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未経験から出版社へ。先輩の下積み時代(2)

イースト・プレスでは、業界・職種未経験の方の採用も行っています。
(現在の募集状況:https://www.eastpress.co.jp/recruit.html
いま活躍している社員にも、異業種から転職してきた人が多数。
本連載では、そんな先輩方にインタビューし、「どう仕事を覚えていったか」「未経験から出版業界を目指すために必要なこと」などなど伺っていきます。

第2回の先輩は、『プリンタニア・ニッポン』や『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』など、数々のヒット作を担当されてきた書籍1部のIさんです!


●アルバイト入社からのスタート。どう仕事を覚えた?

――入社の経緯を教えてください。

I:私は大学でマンガ関係の学科を専攻していたんですが、卒業後しばらくは実家で手伝いをしながらうだうだしていました。そこにちょうど、イースト・プレスのアルバイト募集の話がきて。当時刊行されていた『失踪日記』や「COMIC CUE」も好きだったので、編集アシスタントとして入社しました。

――当初はどんな仕事をされていたんでしょうか?

I:最初は文字の校正とかコピー取りですね。コンビニコミックや「まんがで読破」のシリーズが始まった頃だったので、そのあたりで徐々に担当作を持ち始めて、1年半くらいで正社員になりました。
編集者は学歴とか経歴を求められることが多いので、自信のない方は編集アシスタントのアルバイトから入るのも手だと思います。

――最初の頃、大変だったことはありますか?

I:書籍の用紙をどれにするかとか、デザインをどうするかでかなり悩みました。雑誌を作る場合はある程度テンプレートがあるんですが、イースト・プレスの場合は新人でも書籍を丸ごと1冊担当するので、ゼロから考えなくてはならず大変でした。近い時期に入社した先輩に逐一相談して、なんとかやってました。

――イースト・プレスの新人ならではの苦労かもしれませんね。

I:作家さんとのやり取りも大変でしたが、先輩が電話しているのを盗み聞きして覚えていきました。なかなか描けないときの励まし方とか、締め切り前の急かし方とか……(笑)。


●ヒットを見出すセンスの磨き方

――『プリンタニア・ニッポン』や『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』などヒット作を数多く生み出しているIさんですが、コツなどはありますか?

I:私は全部の作品について「売れるはず!」という気持ちで担当しているんですが、最終的に売れるのは、企画の時点でカバーがイメージできているものだと思います。
たとえば『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』は、ピクシブ発の作品ですが、カビさんがベッドの上で呆然としているカバーイラストは、もともとピクシブのトップ画像だったものなんです。SNSでこの作品がバズったときに見て、イラストのインパクトとメッセージ性にひと目でビビッときて。


――ひと目でピンと来るものなんですね……!

I:『プリンタニア・ニッポン』も、迷子さんがTwitterでアップしていた1ページ漫画がはじまりです。たまたま見かけて、「この世界観なら1冊になる!」とピンと来てお声掛けしました。


――「これならいける!」みたいな感覚って、どうやって磨かれるものなんでしょう。

I:何冊か担当して、売れたり売れなかったりするうちになんとなくわかる感じになってきました(笑)。最初からわかったわけではないです。

――経験値ですね。

I:あと、よくやってたのは秋葉原のオタクショップ巡りで、目立つところに置かれているものが何かを見て、今の売れ筋を確認してました。あと、ネット書店でもいろんな本のカバーを見て、ピンとくるものについて売り上げがどうかを調べてました。

――日々、市場で売れているものを見て勉強されていたんですね。

I:カバーの勉強はとくに大事だと思います。「キャラが立ってる作品だから、キャラをアップにしているんだな」とか、「余韻の残る作品だから、ヒキの構図が合うな」とか、分析しつつ見ていました。ビジュアル的なものなので感覚的な部分も大きいですが、なぜ良いのかを言語化するのが大切だと感じています。


●未経験から出版業界を目指す方に伝えたいこと

――新卒や職種・業種未経験でイースト・プレスへの入社を考えている方に伝えたいことはありますか?

I:イースト・プレスの場合は自由にやれるぶん迷走しやすいので、自分の軸を持っている人が活躍しやすい気がします。たくさんインプットして、好きな分野や得意分野を決めていくと良いのではないでしょうか。

――なるほど! 最後に、マンガ編集という仕事の魅力についてPRをお願いします。

I:編集者は、自分で作品を描くことはできません。でもそのぶん、作家さんをうまくサポートして「これが読みたかった!」という作品が生まれたときの喜びは格別です。
自分が読みたいマンガを作れる仕事なので、「こういうテーマのマンガを読みたい」とか「この作家さんに描いてほしい」とか、夢の企画を持って応募いただけると嬉しいです!

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Iさん、ありがとうございました!次回は書店営業のTさんです。お楽しみに!

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