見出し画像

【詩】再起

明くる日
小さなバケツをひろって
土を注ぎ
猫の骨をうずめて
小さな棺桶にした

明くる日
棺桶に眼球をうずめ
左手で回しこんで
闇の底に沈めた

明くる日
棺桶を闇から引き上げると
なぜか鳴り止んでいたので
ゆっくりかんじると
光の粒たちが
足を生やして
逃げ出したのだと
やっとわかったので

ぼくはゆっくりと
余りの眼球を
引きちぎり
叩きつけ
踏み潰し
食べやすくして
棺桶のような
バケツにうずめた

浄化された闇は
静かに笑って
もぐもぐと
咀嚼をはじめた

その日から

ぼくは

時間のことを考えなくても
よくなった











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?