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甘酸っぱい、スパイ映画

「梅干しはすっぱいからスパイなのだ」 by バカボンのパパ

スパイを題材にした映画は限りなく多い。
その中でもイアン・フレミング原作の「007」シリーズは世界的に有名である。
で、主人公のジェームズ・ボンドは世界で最も有名なスパイと言っても過言ではないだろう。

「007」シリーズをこよなく愛する方々であればお分かりだろう。
記念すべき第一作は「カジノロワイヤル」だ。
だが、「007」シリーズの映画第一作は残念ながら「カジノロワイヤル」ではない。
何故かと言うと、これにはとても深い大人の事情があったからだ。
と言っても、単純に映画化権はアメリカに渡り、当時は大掛かりにハリウッドで映像化を試みるが、予算の都合でおじゃんとなり、本家の「007」を手掛けるイオン・プロと合作で話が進むもこれもおじゃんとなり、結局本家とは無関係に話が進み、今となっては名作1967年「カジノロワイヤル」が誕生する。

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以前、映画誌に評論した筒井康隆氏が綴っていたが、1967年版の「カジノロワイヤル」はイオン・プロとは無縁の作品だが、これはこれで十分に楽しめる作品だと称賛していた。
この筒井氏の評論に賛成だ。
本作を観ると原作とはかけ離れた内容だ。
しかし、原作にはない楽しめる要素が十分に詰まっている。
先ず出演陣だ。
引退した007ジェームズボンド卿を演じるのはデヴィッド・ニーヴン。
続いて同じく007を演じるのはピーター・セラーズ。
またもや007を演じるのはウルスラ・アンドレス。
またもまたもや007を演じるのはマタ・ボンド(ジェームズ・ボンドの娘)を演じるのはジョアンナ・ペティット。
他にはル・シフルはオーソン・ウェルズ。
ジミー・ボンド役にはウッディ・アレン。
マクタリ夫人にデボラ・カー。
そして脇役にジャン=ポール・ベルモンドとピーター・オトゥール。
すんげえ豪華じゃね。

これだけの豪華出演陣を集めておきながら、内容はごちゃごちゃでハプニング続出。
これだけ聴くと観るに耐えられないと思われても仕方あるまい。
だが、音楽担当をしているのがバート・バカラックなのではちゃめちゃなストーリーを見事にまとまりのある様にごまかしつつ、上手く描かれている。

それになんと言っても、とてもスタイリッシュだ。

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やはり映画はイメージが大事だ。

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おふざけが勝り、本家と比べられるとパロディとして扱われがちだが、先ほども述べた通り、これはこれで別個なのだ。
言わばもう一つの個性と例えても良いだろう。
それに映画として完成度も高いのも事実だ。
事実ボクチンはDVDを所有していて何度も鑑賞済みだ。


それにしても、ピーター・セラーズとデヴィッド・ニーヴンの絡みはとても良いよな〜♪
特にピーター・セラーズの飄々(ひょうひょう)とした演技はどこまでが真面目なのか掴みどころがない部分が今夜は最高だ!

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その後、映画化権がイーオン・プロに渡ると、現在のジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグが見事に忠実な「カジノロワイヤル」のボンドを演じ切った。
原作も当然読んでいる。
素晴らしい理由を挙げると原作に忠実である事。
特にル・シフルを演じるマッツ・ミケルセンがボンドを丸裸にし、椅子の座る部分をくり抜くと、男性であれば屈辱的な拷問シーンが注目の一つでもある。
原作以上に映画の方がより残忍だった。
結果的に原作以上に仕上がっていたので、改めてファースト・ボンド・シリーズと例えても過言ではないはずだ。

因みにダニエル・クレイグとクライヴ・オーウェンが次期ジェームズ・ボンドの最終候補となっていたらしい。

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(※ クライヴ・オーウェンを知らない人へのイメージ画像)

結局ダニエル・クレイグとなったが、もしクライヴ・オーウェンが演じていたら…と考えると、これはこれで十分楽しめただろう。
それにクライヴ・オーウェンだったら、二代目ジェームズ・ボンドを演じたジョージ・レーゼンビーと、四代目を演じたティモシー・ダルトンを掛け合わせた最も原作に近いジェームズ・ボンドを演じたと、勝手に甘スッパイ気持ちで想像してしまう♪

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(※ これはこれでありかもだ)

わーお!

今回紹介した「カジノロワイヤル」は下手なファッション誌を見るよりも、うんと勉強になるよ。

今はこの様な映画を作るのは無理だろうな…
唯一、挑戦したのはオースティン・パワーズくらいだろうな。

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 by 水野晴郎

ちゃんちゃん♪

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