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高級な鰻と手作りのチャーハン
母の誕生日である7月29日に、母と祖母の3人で母の好物の鰻を食べに行った。お店は、母の地元では名店の日本割烹料理店。割烹料理店なので鰻に付いてくるお刺身や肝のお吸いものも美味しい。
ただ、鰻は出きあがるまでは少し時間がかかる。しかし母は「待つ時間を楽しめるのが良いのよね」と言った。鰻を食べる醍醐味のひとつは、料理を待つ間の会話を楽しむこと。久しぶりの母、祖母の三人で会話。祖母の食器に対する想いや、自分の近況も話せた。たまには友達だけでなく家族との時間も大事だなと思う。
次の日は、地元の花火大会の日だった。友達と行く約束もせず、一人で家にいるのも寂しいと思い祖父の家に押し掛けた。祖父の家の屋上からは以前は花火が綺麗に見えたが、数年前にマンションが建ったため少し遮られている、しかしそれでも花火がよく見える。祖父と一緒に見たかったが、疲れているのか祖父は2階にいたので私も早々に切り上げ2階に戻った。
2階に戻ると祖父は炒飯を作ってくれていた。幼少期、祖父が作ってくれた記憶がかすかにある、思い出の炒飯。たしか、亡くなった父も炒飯を私に作ってくれたことがある。
炒飯の味は正直、薄味だったが、家族が作ってくれたご飯を食べれるのはうれしく思う。炒飯を食べながら、花火を見れずさみしかった心がほぐれていく。
高級店と手作り、どちらのほうが良いということはない。割烹料理店で食べた鰻は、お店の味なだけに間違いなく美味しかった。何よりも母の好物を食べることができたから良かったと思う。
ただ、家族や他人が自分をもてなして作ってくれたご飯は美味しいだけでなく心が温まる。料理はその人の「想い」が込められれているからだと思う。
だから毎日手作りでもなく、毎日外食でもなく、その日によってベストな選択がある。それよりも家族と食事をする、そのことが幸せなのだなとしみじみ感じた。
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