太極拳の基本功:𣑊功(ヂョワンゴン)_虚歩𣑊

𣑊功とは下肢を固定するか、または全身を静止した状態におく基本功です。𣑊功の姿勢は緊張感をほぐし、静かで安定した状態におき、ちょうど杭が地面にたっているさまを思わせるところから𣑊功(𣑊は杭のこと)というようになりました。𣑊功の目的は姿勢を正し、下肢の力を強め、気を落ち着かせ、呼吸を整えることにあります。
参考文献:太極拳基礎講座 李徳印 著

4虚歩𣑊(シェイブーヂョワン)


準備の姿勢 

体を自然にして立ちます。足は肩幅に開き、重心を両脚の間におき、両手は体側にさげます。目は前をまっすぐ見ます。全身に力をいれず静かな状態において、姿勢を正し、精神を集中させ、呼吸はごく自然にします。

動作

準備の姿勢から膝を徐々に曲げて腰を落とし、体重を右脚に移し、
左脚を静かにあげます。
同時に上体を半ば右にひねり、両手を両側に弧を描いてあげます。
手の高さは頭より高くならないようにします。両肘を半ば曲げ、両手を前へ移し、掌心がはす向かいになるようにします。
その際、指先は斜め上段に向けます。左手は鼻の高さに、右手は左肘の内側に置きます。それと同時に、左足を一歩左前方へ出してかかとを地につけ
つま先をそらせ、膝をやや曲げ、体重の大部分を右脚にかけ、左虚歩とします。
その姿勢をやや保ち、右脚がだるくなったら、左脚をもとにもどし、
左脚に体重をかけ、同じ要領で右虚歩とします。
両腕の動作も左虚歩時とは反対にします。
以上の動作を左右繰り返して練習します。

ポイント

☆型が決まったとき、虚歩として腰をさげ、腰の力を抜き、腹に力を入れ、臀部を引き、下肢に安定をもたせ、ぐらつかないようにします。上体はゆったりとリラックスさせ、姿勢を正し、ごく自然にして、斜め前方を向きます。同時に頭を突き上げるようにし、肩の力を抜き、腕に力をこめ、肘を落とし、胸をやや引いて、脇の下にピンポン球が入るくらいの空間をつくり、手首や指は力を抜いて自然のままにして、内勁(体内の力)を頭頂や指先に引き上げます。


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