見出し画像

通学路の一角だった商店街がベンチャー企業のサテライトオフィスになった

前回のnoteについて

はじめましてアースダイバー株式会社の山下と申します。
先月、弊社の代表佐藤が投稿した「僕らが地方でマーケティング支援をしていく理由」が想像以上のリアクションをいただいて、社内では大変盛り上がっておりました。(本当にありがとうございます)

今回は前回のnoteで触れた「宮崎県・日南市で見た光景がきっかけに」というところについて書いていきます。
弊社が地方でのウェブマーケティングを支援する原体験となっています。宮崎県日南市のサテライトオフィスで地方にウェブマーケの組織・人材を作っていく過程でみたこと、得た経験について簡単に共有できればと思います。

自己紹介

私は現在、佐藤とアースダイバー株式会社というウェブマーケティング支援を中心とするスタートアップ企業で働いています。佐藤は前職のポート株式会社時代の直属の上司で、その後もう1社を挟んで今のアースダイバー株式会社に参画しました。仕事でのかかわりはもちろん多かったですが、私も古い音楽や古着だったり、日本の染め物や骨董品などが好きで佐藤とは当時からそんな話ばかりしていました笑

そんなところが共鳴して今に至ります。

※超余談です(だけど聞いて欲しい)
代表の佐藤と特に話すようになったのは、出張時にサテライトオフィスの近くにあったBarへ一緒に行くようになったのがきっかけです。古い音楽が流れ、店にはアンティークの家具、70年代のアウトドアグッズ、数千枚のレコードやCD。そして可愛い黒猫😼そこでおいしいお酒を飲みながら、マスターと好きな音楽や古着、本の話をし、帰りにはマスターが取り寄せている浅煎りのコーヒーをヴィンテージのマグカップで飲める素敵な空間でした。

通学路だった商店街の一角がベンチャー企業のオフィスになった

僕は四国の大学を卒業後、地元である宮崎県日南市に帰りました。当時、東京でも就活をしていてEC系のベンチャーから内定をもらっていました。しかし、地元にベンチャー企業のサテライトオフィスができるということを知り、オフィスの立ち上がり時に面接を受け入社しました。

私の地元である日南市という町は宮崎県の南部にあり、総人口約7万人で海や山に囲まれた田舎です。(実際は市町村合併で遠い地域の人口も含まれていますので実質は4万人ほど)ここまで聞くと想像に容易いように、そんな田舎にとって「IT企業」「ウェブの仕事」とは全く別世界のもので、当然地元にそんな仕事はこれまでありませんでした。当時、サテライトフィスの設立が決まったときはその話題で町全体がざわついていたことを思い出します。

そんなIT企業のサテライトオフィスが作られたのは、まさかの商店街の中。
地元の商店街はいわゆる「シャッター商店街」に近いような状況でしたのでより驚きました。しかも、その商店街は子どもの頃の通学路、小さい頃に駄菓子なんかを買ってよく走り回っていた場所でもありました。そんな場所が職場になるなんて...なんだか変な恥ずかしさもありながら、内心とても嬉しかったことを覚えています。

*サテライトオフィスの取り組みなどは下記のメディア様がご紹介していますので興味のある方はご参照ください
http://visit.miyazaki.jp/?p=38037

https://cocolococo.jp/12083

「地方にいながら東京と同じように働く」

地方にサテライトオフィス設立、または企業誘致と聞くとコールセンターなどが多く見受けられます。しかし、当時の経営陣はそんな自体に課題を抱いており、自分たちで自走するような組織にしなくてはいけない、とオフィスの設立時に熱く語ってくれました。最終的に雇用を地元に90名近くの雇用を作る、テーマは「地方にいながら東京と同じように働く」と掲げていました。

高度なチャレンジだとみんな思っていましたが、激動の1年の中で多くのことが実現され、全国でも非常に珍しい地方創生の事例であったと考えています。
私も含め、最初のメンバー10人は全員ウェブ系の仕事は未経験でしたが、約1年のOJTを通して、最終的には本社にあった部・機能の移管まで実現されました。今でもそのスピード感には驚かされましたし、何より田舎を起点に多くのチャンスを作ってくれたことには今でも大変感謝しています。

業務でのやりとりは、東京本社のメンバーと基本チャットやビデオ通話でおこなっていました。他にも定期的に本社での研修、また当時マネジメントしていた佐藤が出張に来た際に研修を実施してもらっていました。その際はウェブマーケティングの考え方の基本、コンテンツマーケティングのノウハウ、KPIマネジメントなど、さまざまなことを教えてもらいました。オフィスの場所は違えど、そのスピード感、手を伸ばせば情報・経験が平等に得られる環境はベンチャー企業そのものでした。

未経験の状態からマーケティングを教えてもらい、スキルを身につけ、そして次は自分でも誰かに教えていく、僕たちがそんな過程を一気に経験できたことは、アースダイバーの活動に大きく影響しています。

思い出話:田舎の説明会に300人集まる!その決め手は”チラシ”だった

設立から激動の1年の過程をかなりざっと説明しましたが、実は立ち上げまでには本当にいろんなエピソードがあります。
例えば、よく聞かれたのが「設立時、地方どうやってIT企業で働ける人を集めたのか?」。
立ち上げ当初は最初に10数人を採用しました。全て地元または宮崎県の出身者のメンバーで、年齢もバックグラウンドも様々でした。僕のように新卒だったり、別業種からの転職、Uターンなど。

採用面接前には地元で説明会・面接が約2日間ほど開催されたのですが、そこに集まったのはなんと約300人です。
これ、東京感覚からするとピンとこないかもしれませんが、総人口約4万人、しかもウェブ系の職種がない、一次産業中心の街でこれだけの人数を集められたのは奇跡に近いとえいます。職業訓練校での宣伝、メディア、求人の掲載など、地元で使える媒体はいろいろと試していましが、説明会後や面接でアンケートを取ってみると圧倒的に多かったのが新聞の折込チラシ経由でした。

私も田舎での生活が長いのでそれを聞いたときは納得しました。
田舎だと新聞を購読している家庭は多く、同封されたチラシも基本的にリビングに持ち込まれ、家庭内での話題、いわば口コミにされる可能性が極めて高いといえます。
さらに私の地元くらいの田舎になると単身向けの物件が少ないことなどもあり、基本は実家から通勤する人が多い傾向にあります。そうしたことから、家でチラシをみて親から子供へ、または親戚へなど情報が波及していったと考えられます。

もちろん、副次的に効いたものを度外視しているわけではありませんが、ここでのポイントは地元の生活様式を考え最適な媒体の選択ができたということ。

これを思い出すと、改めてマーケティング活動・また支援する上ではユーザーの理解が重要だなとつくづく思います。(ユーザーにとって実は違ってた...みたいな施策しちゃったりすること誰しも経験ありますよね。)

最後に

僕たちがどんな経験を元に活動をしているのか、またそんな考えに共感してくれる人が少しでもいたらいいな、と思ってます。

今回は簡単な内容にまとめていますので、今後も地方にまつわるテーマをいろいろと更新していけたらと思っています。

また、今後は下記の取り組みも考えています。

・僕たちと近い試みをしている方々へのインタヴュー
・地方企業へのインタヴュー

ぜひ、ご興味ある方はコメント、またTwitterなどでやりとりできたらと思います。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?