今日は変な虫に出会いました。

季節の変化は森が教えてくれる

最近はとても暑くて、ついに梅雨が明けたことを感じさせられる日々。
都会にいるときはニュースを通して梅雨の終わりを感じていたけど、
山で暮らすと季節の移ろいをとても感じます。

植物の種類が変わる。
風の匂いが変わる。
現れる虫たちが変わる。

昔の人も、季節感は自然の移ろいによって感じていたのだろう。
それを歌や俳句にして遊ぶとは、とても高尚で趣深い遊びだなあと思います。



そんな感じで、我が家も夏真っ盛り。
日々、いろんなお客さん(虫さん)が訪問してきます。


先日、訪ねてきたのはこちらの昆虫。
みなさん名前知ってますか?
この見た目で7cmくらいあるので虫嫌いな人はトラウマレベル。

風の谷のナウシカに出てきそうな見た目。
絶妙にピント合ってない。


こちらはヘビトンボさんです。
あまり見かけない子なので、出会えると結構テンション上がります。


ヘビトンボって?

名前にトンボとは言ってますが、トンボの仲間ではなくて、
どちらかというとカゲロウの仲間に近いそうです。

透明度の高い大きな羽を持っていて、日中は川辺で休憩してるそうです。
たまたま我が家を休憩場所に選んでくれて出会えたということです。

カゲロウの仲間なので、こんな大きな見た目でも寿命は僅か10日ほど。
幼虫時代を川の中で4年ほど過ごし、たった10日で命尽きるとは、、、
なんとも儚く尊い命です。

カゲロウは昆虫の中でもかなり原始のタイプで、羽根をもつ昆虫の
起源になっているとさえ言われるほどに古くから存在しています。

なんと今から3億年も前には存在し、その頃から儚い命を紡いできた生物です。
単体で見れば儚い命で弱々しいですが、ただ純粋に種を残すことを続け
なんと3億年も繋いでいるんです。

これが生命や自然のロマンですね。
この記事を書きながら、カゲロウやヘビトンボについて調べて興奮してます。


ちなみにヘビトンボは、綺麗な水があるところにしか生息しないと言われており、
水質の綺麗さを測る際の「指標生物」とされています。
たま〜に川底で幼虫も見かけますが、彼らにとって過ごしやすいということは
我が家のそばを流れる水は日本でも綺麗な水に分類されるということです。

今日の河川の整備や生活排水での汚染により、絶滅危惧種に登録されています。
なんとか彼らが過ごしやすい川を残していきたいです!


まさかの民間療法として重宝?

このヘビトンボを民間療法として用いていたこともあるそうです。
昔のひとはなんでもやってみてるんですね〜。
すごすぎる。

幼虫を黒くなるまで焼いて、粉末にして服用するというワイルドな方法。
原材料を知ったら子供はビックリするでしょう。


孫太郎という体の弱い男の子の病気を治したと伝えられたことから、「孫太郎虫」(まごたろうむし)という名前でも知られています。
かつては、子どもの疳(かん)を鎮める効能のある民間薬として、広く使われていたそうです。

奥州斎川(現在の宮城県白石市)の孫太郎虫が有名でしたが、戦後は周辺の開発など環境の変化でヘビトンボが採れなくなり、今では幻の薬になっているようです。

ヘビトンボは滅多に日常生活で出会わないと思いますが、
もし見かけたら地球史での大先輩なので、是非とも挨拶をして
見守ってもらえたらと思います。


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