職人になりたい

　仕事三昧で書くことがないので、軽い話題を。

　UFOキャッチャーの前でひとり「ぐぬぬぬ……」と歯ぎしりしていると、隣の台にスッとやってきて、最大でも三コインで欲しいものをゲットし、スッと去っていく人に遭遇する。

　偏見の混じった言い方で恐縮だが、足元がキティちゃんサンダルだったりクロックスだったり、上下スウェットだったりするような人だと、「ゲーセンに来慣れているんだろうなあ」と得心するのだが、そういう人は本当に普通のいでたちをしている。綺麗めの主婦、といった様相である。

　獲りたいものがある時は、「お願いします、お金と手間賃払うからこれ獲って！」と縋りつきたい気持ちに度々襲われる。

　表情一つ変えずに、狙った獲物を確実に手にする彼女らの背後には、私と同じような「ぐぬぬぬ」な日々と膨大な金銭があったのだろうと思うが、そんな苦労はみじんも感じさせない職人技に憧れるのである。

　ああー、私も職人になりたい。どんな台のどんな景品も、サクッと獲れるようになりたいなあ。

　最近執心していた、Qposket鬼滅verについて検索してみたら、メルカリのサイトが多数ヒットしましたとさ。職人たちが平熱の表情をしているのは、これが理由なのかもしれない。