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『嫌なこと』を調理して食べてもらった話

3月19日にリトルアス・プレイバックシアターのプレイバックシアターに参加したことはお伝えしたけれど、そこでのお話です。

その日のテーマは「風の強い日」。だれかお話いただける方はいませんかというナビゲーターの声にまずさっと手をあげられたのは、男性の方。陸前高田にて、追悼のための凧を上げたというお話だった。お話を聞いているだけで涙があふれてくる、そしてその凧を上げている場面の心の声を役者さんがリアルで表現してくれると、ますます、涙が出てきて、ほろりと頬を伝う。

冒頭からなんかすごい・・・それにつづいて手をあげた方の話も涙ながらにしか聞けない・・・私も何か話そうと思っていたけれど、たいしたことじゃないしなあ・・と思っていたら、「ではまわりの方と今思っていることを話してください」タイムに。私は隣に座っている方と3人のグループになった。

こういう時間はほんとうにありがたかった。いろんな方のお話を聞いて、ゆさぶられて、ちょっとカオスになっている心をしばし落ち着かせることができたから。それから、「つまんないことしか今思い浮かばないから、言っていいのかどうかわからない」という私に、お二人は笑って、話してみたらと背中を押してくれのだ。「せっかく来たんだし、やってみたほうがいいよ」と。


それで、再び、ナビゲーターが次の話し手を募集したとき、私は手をあげた。それまでは話し手は座っているところからだったが、今度は、前に呼ばれて、ナビゲーターの隣に座るように言われた。その席でナビゲーターからいろいろ質問を受けながら話していくというスタイルだった。
「いつのことですか」「今朝です」
「その時の私はどんな状態ですか」「パニックです」
そして、私はその日の朝、公開ZOOMインタビュー(録画公開)で、心臓がバクバク、口がさらさらに乾いて、何を話しているのか記憶にないほどのパニックになった経験について語った。

そうしたら、役者1名が私になり、ほかの2名とともにそのパニックになる場面を音響付きで演じてくれたのだ。そう、そこには今朝の私が現れたのだ。そして、会場、大爆笑。

「このために朝の出来事があったのかもしれませんね」とナビゲーター。
そして、役者の方にも楽しんで演じさせてもらいましたとお礼を言われ、私自身もとても超ハッピーな気分に。

録画されたZOOMは公開中。見たいとは思わないけど、もし〇年後、私がそれを見る機会があったら、きっと私はプレイバックシアターで味わった超ハッピーな気持ちを思い出すのかもしれない・・・と思う。人の心はおもしろい。こんなにも変われるなんて。そして、プレイバックシアター、なんかすごいぞと思った。

嫌な気持ちを調理しておいしく食べてもらったお話でした~




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