トウコ

トウコとは、私の親友のことで
出会ってから20年近くなる。

初めてトウコを見つけたとき、
彼女は初対面の私に笑顔でおはようと言った。

その時の笑顔が、本当になんてゆうか
完璧に私の心を掴んだというか、
この笑顔を私は知っていると確信に近いものを感じたからきっと
前世で会っていたのかもしれない。

トウコは明るく毒舌な女で情に厚く姉御肌。
とにかく明るく笑うのが印象的。

島巡りをこよなく愛していて、草がボウボウで道が悪く蜘蛛の巣が張っているような場所でも木の棒を持って振り回しながら、
歌いながら先頭を歩く、それがトウコ。

でも、あっけらかんと笑う一方で、
悩むトウコも私は知っている。

悩む時は地の果てまで
底の底まで落ちてるのを
何度か見たことがある。
でもそれが長引かず浮上してくるのが早い。
気づいたら戻ってきて
ちょっとダメージを受けた顔をして笑っている。

姉御気質があるせいか、
すぐ説教口調になったりして、
調子に乗ってついつい余計なことまで言い過ぎるとこがあるのであまり相談されないこともあったけど歳を重ね、最近は相談されるようになったなとはたから見ていて思う。
大らかになったんだろうと思う。

トウコは半年に1回くらい良いことを言う。

私が1人でモンモンと悩んでいるとき
トウコはそれを笑いに変えて
私の悩みを蹴り上げてくれる。
笑って空高く一蹴してくれる。
トウコにとったらそれはなんでもなくやってることかもしれない。
でも、そのことの凄さを私はいつも痛感する。

それは、この地球上で
トウコにしかできない。
あんな風に愛のある一蹴を私は知らない。
これだけはトウコでないと絶対できない。

そのことのかけがえのなさというか、
初めてトウコを見たときの会えた！というあの感覚は間違いじゃなかったんだと思う。
私にとって大事な人を見つけた瞬間だった。

「楽しむが勝ちだよ」

最近、トウコはそう言ってくれた。
その言葉を励みにしながら
私は今日も生きている。