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【戦評】 2015年以来の交流戦開幕3連敗~6月1日●楽天2-5ヤクルト

戻ってきた山崎武司さん

笑顔で始球式に登板した「永遠の犬鷲大砲」山崎武司さんの目には、今の古巣はどのように映っただろう?

仙台でヤクルトを迎え撃つ、両リーグ最下位どうし3連戦の初戦である。
横浜で連敗した楽天にとって、3連勝中の辛島を押し立て体勢を立て直したいゲームだったはずだ。

しかし、初顔合わせの相手先発ブキャナンの粘投、4度の併殺や不運なイレギュラーなど絡み、事態は終盤に暗転する。

「不運」は1-1の同点7回2死満塁にやってきた。

バッターボックスは左の2番・青木という場面で、左腕・高梨が火消しに急行。
わずか2球で0-2と追い込んだ後の2-2勝負だった。

遊撃・茂木の直前で打ち取ったゴロが、まさかのイレギュラー・・・

大きく跳ねた打球が茂木の頭上を越えてしまう2点タイムリーになり、他の守備機会では良い動きをみせていた茂木に「前に出て捕らなければいけなかった。僕の判断ミスですし、技術不足」と言わしめる『不運な失点劇』になった。(E1-3S)

翌8回、防御率0.75の四番手・青山も2点を失う。(E1-5S)

申告敬遠を含む4個のフォアボールが絡み、押し出しに犠飛。
今季、楽天投手陣による無安打失点は4/18ソフトバンク戦(●E2-5H)に続く5点目になった。

暗闇の中を照らす明るい材料といえば、田中と内田の若鷲のアピール劇だ。

今日も左翼に叩き入れた田中は本人もびっくりの直近5試合で4ホーマー。
走塁では鮮やかな二盗を決め、守備では中越えフェンス直撃コースの飛球を背走ジャンピングキャッチでグラブに収め、飛び出した1塁走者を刺す併殺完成劇など、三拍子揃った活躍をみせた。

内田は5試合ぶりのヒット。
タイムリーを含む1試合2安打は今季3度め。

指揮官が今のチーム状況を「日本大学だね」と渦中の大学に例えてしまうほど混迷する状況下、94年95年生まれの若鷲が「希望の星」になっている。

交流戦の開幕3連敗は2015年以来になり、同12位。
チーム成績は6位、50試合17勝32敗1分で借金15に。

敵軍先発との初顔合わせゲームはこれで1勝4敗1分へ。
この3連敗は全て当該ゲームで落としている。

ゲーム差は上位3チームが勝利したため各々広がり、1位・西武と13.0、2位・日本ハムと12.0(今季最大)、3位・ソフトバンクと9.5、4位・オリックスと7.0(今季最大タイ)、5位・ロッテと5.0になっている。

両軍のスタメン

ヤクルト=1番・山田(二)、2番・青木(中)、3番・坂口(右)、4番・バレンティン(指)、5番・畠山(一)、6番・西浦(遊)、7番・大引(三)、8番・中村(捕)、9番・荒木(左)、先発・ブキャナン(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・銀次(二)、3番・田中(中)、4番・今江(指)、5番・ペゲーロ(右)、6番・ウィーラー(三)、7番・内田(一)、8番・岡島(左)、9番・嶋(捕)、先発・辛島(左投)

青木宣親の存在感

7回は巡り合わせの不運もあった。

続投した先発・辛島が1死後、下位打線に連打を浴びて降板。
1死3,1塁、二番手・池田が9番・荒木を渾身の外角低めで見三振に取ったものの、1番・山田にはフルカウントからのフォアボール。
2死満塁でまわったのが2番・青木というところに、ツキがなかった。

MLBで通算90.0%の高いコンタクト率で活躍した青木は、NPB復帰した今季もその持ち味は健在。
ソフトバンク・中村晃クラスの高値を誇っていた。
かつ、左投手打率は.325と、じつに厄介な相手である。
事実、青木は2打席目、辛島の左打者殺しスライダーを、、、

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