【戦評】ハムキラー辛島が5回5失点に沈んだ理由～5/23●楽天2-11日本ハム

予想外の大敗。連勝は4でストップ

今季2度目の同一カード3連勝を狙う戦いは、予想外の大敗に終わった。

相手先発左投手のとき2勝7敗と大きく負け越す日本ハム。
楽天と同じくサウスポーを苦手にする敵軍に先発したのは辛島だ。

今季はこのカードをお得意様にしている。
3戦登板して防御率0.90、QS率100%。

東北開幕戦(○E3-1F)では吹雪のなか7回3安打無失点。
楽天スーパーナイターの前回5/16(●E0-2F)では敗戦投手になったものの、7回6安打1失点の快投をみせた。

ところが、その辛島が誤算。
立ち上がりわずか4球で失点すると、その後も波に乗れず5回5失点。

3点を追う6回から登板した二番手･今野も期待はずれ。

球団史上8点差をひっくり返した5/15日本ハム戦(〇E9-8F)では3回零封、5/18ロッテ戦(〇E6-4M)では念願のプロ初勝利を飾り、5/8DeNA2軍戦の4回から「9イニング連続無失点」と躍進中の岩出山の星が、この日は2回6失点と打ち込まれた。

一方、打線は中盤に2本の併殺打で逆転のタイミングを逃すかっこうに。
相手先発･杉浦には4/23(○E4-1F)に続いて好投を許し、これで杉浦は楽天戦10回無失点だ。

今季5度目の二ケタ失点で連勝は4でストップ。
そのなか、大敗荒野に咲いた可憐な花が、9番･三塁でプロ初スタメンした渡辺佳のプロ初安打。
杉浦の初球スライダーをコンパクトに中前へ弾き返して、第一歩を刻んだ。

チーム成績は2位、45試合23勝21敗1分へ。

各種戦績は、直近10試合6勝4敗(得点55/失点60)、5月10勝10敗、日本ハム戦7勝5敗、ビジター12勝13敗1分、先制されたとき12勝16敗1分になった。

ゲーム差は1位･ソフトバンクと1.5、3位･西武と0.5、4位･ロッテと1.0、5位･日本ハムと1.5、6位･オリックスと4.5、首位と最下位の差も依然として6.0である。

両軍のスタメン

楽天=1番･茂木(遊)、2番･島内(左)、3番･浅村(二)、4番･ウィーラー(指)、5番･銀次(一)、6番･ブラッシュ(右)、7番･辰己(中)、8番･嶋(捕)、9番･渡辺佳(三)、先発･辛島(左投)

日本ハム=1番･渡邉(二)、2番･杉谷(中)、3番･近藤(左)、4番･中田(一)、5番･王柏融(指)、6番･大田(右)、7番･平沼(三)、8番･鶴岡(捕)、9番･中島卓(遊)、先発･杉浦(右投)

.

最強打線を悩ませる、難攻不落のストレート

真っ直ぐに強い浅村とブラッシュの新戦力効果と、昨秋から集中的に取り組んだスイングスピードの向上が結実したのだろう、今季のイヌワシ打線はストレートに強い。

過去3年のストレートの数値を表にまとめてみた。

◎2017～2019年 楽天のストレート成績

OPS、純粋な長打力を表わすISO、三振率、四球率。
表4項目全て、今シーズンが最も良い成績なのだ。

多彩な変化球全盛の現在においても、投手が最も多く投げる球種はストレートである。

NPBにおけるストレート割合は、2017年の46.8%から2018年45.1%に減少した。
とはいえ、19.0%で2位につけるスライダーに圧倒的大差をつけている。
この傾向は今後も変わらないだろう。

そのため、打撃の基本は『ストレート撃ち』なのだ。
バットで好成績を作るには、ストレートの攻略が大前提になる。

近年の楽天打線はその基本が実践できず得点力不足に喘いだ。

しかし、今季は違う。
浅村加入効果で既存選手のスイングにも鋭さが宿っている。

ホームランにすることが難しい150キロ越えの一発も、今年は目に見えて増えている。
2017年6本、2018年3本にとどまったその本数は、今年は全日程の約3分の1なのに、はやくも6本。

5/15日本ハム戦(○E9-8F)では、およそイメージがない嶋も、151キロ速球を右翼ポール際へ運ぶホームランを放った。

そんなストレートに強い新生イヌワシ打線だが、杉浦の真っすぐには別の話。
2戦連続で手を焼くかたちになった。

前回対戦時、杉浦の当該平均球速は146.7キロ、今回は143.5キロ。
球速表示では約3キロのスピードダウンだったが、楽天打線はストレートで、、、

※ここからは有料エリアでどうぞ！
今年も楽天の試合評/コラムをnoteに綴ります！
本稿単売もしていますが、noteマガジン『楽天ファンShibakawaの犬鷲観戦記【2019前半戦】』での定期購読のほうがお得です！
今ならまだ間に合う！5/31(金)まで期間限定2,400円！(6/1(土)から3,000円に価格改定させていただきます)
まぐまぐメルマガでも同内容を配信中！