【戦評】 チームに蔓延する「~だろう」の慢心病~4月3日●楽天2-5日本ハム
珍プレイ認定された茂木のボーンヘッド
某一球速報に「珍プレイ」表記された楽天選手の前代未聞の守備は、8回表に発生した。
終盤6回まで0-0が続いたゲーム展開。
7回表、楽天は継投作戦が裏目に出て、日本ハムに1点先制を許していた。(E0-1F)
8回表はこれ以上の失点は許されなかったが、回またぎ続投した福山がピンチ。
1死2塁、打席は7番・大田にまわる。
ここまで3タコの北海道移籍2年目の右打者を、この場面でも内角シュートで完全に打ち取ったゴロのはずだった。
詰まったゴロが三遊間に転がる。
三塁手ウィーラーがカットに向かうも、緩いゴロがその先を抜けていく。
遊撃・茂木が待ち受けているので大丈夫。
ところが、そのいるはずの茂木が不在だった!
はたして茂木は3塁ベースカバーに向かおうとしていたのである。
緩い打球が茂木の逆を突くかたちで、楽天のお粗末な守備網をあざ笑うかのように左前へ抜けていった。
この間、2塁走者に三進を許し、直後、福山が2点目タイムリーを浴びた。(E0-2F)
蔓延する「~だろう」の慢心
「(茂木選手は)ウィーラー選手が取ると思っているんですね。決めつけちゃっているので」とは岩崎達郎さんの解説。
岩崎さんの指摘どおり、本来なら『~かもしれない』という意識を持って臨むべきところ、今年の楽天は『~だろうと決めつける』楽観的予測にもとづいたプレーがじつに多い。
そして、それがことごとく失点に絡んでいる印象なのだ。
この8回も1死後、6番・アルシアに中前の当たりで一気に2塁を陥れる好走塁の二塁打を許す場面があった。
これも、センター田中が「外国人だから1塁止まりだろう」と決めつけてはいなかったか。
前日には0-0の9回無死2,1塁、4番・中田の1-6-3の併殺コースで同じような事態が発生している。
松井は1塁に投げるだろうと判断した遊撃・茂木が、2塁ベースカバー入るのが遅れ、オールセーフの野選になり、無死満塁、5番・レアードに決勝打を許す失点劇があったばかりだ。
開幕3戦目の4/1ロッテ戦では、3回無死1塁、池田による1塁牽制悪送球があった。
1塁コーチBOX付近にころころ転がったほんの隙に、一走・荻野に二進された。
1塁ベースのすぐそばに転がったから大丈夫だろうと判断した池田の慢心で、直後に2番・藤岡の右安で荻野に同点のホームを踏まれてしまった。
まるでヘビににらまれたカエルのように、どこかぎこちなく硬くなっているのは、なにも守備だけの話ではない。
打撃も同様だ。
前日は6安打、仙台の桜が満開したこの日は、ついに単打ばかりの5安打に終わった。
体調不良のペゲーロの休場が続くなか、本戦は2番に藤田を起用。
打率.125の銀次をオーダーから外し、内田を6番・一塁でスタメンに戻す打線の組み換えを実施したものの(2タコ)、今日もつながらず。
6回まで散発2安打に封じられるなど良いところなく、チーム打率.218はパ最下位、12球団11位になった。
(下記へ続く)
両軍のスタメン
日本ハム=1番・西川(中)、2番・横尾(二)、3番・近藤(右)、4番・中田(一)、5番・レアード(三)、6番・アルシア(指)、7番・大田(左)、8番・鶴岡(捕)、9番・中島(遊)、先発・高梨(右投)
楽天=1番・島内(左)、2番・藤田(二)、3番・茂木(遊)、4番・ウィーラー(三)、5番・アマダー(指)、6番・内田(一)、7番・岡島(右)、8番・嶋(捕)、9番・田中(中)、先発・辛島(左投)
疑問残った継投作戦
打撃に守備に、「穴の空いたバケツ」状態の楽天。
その悪い流れは、昨季リーグ3位の救援防御率3.32を誇ったブルペン陣にも伝染した。
これで頼みの救援陣が崩れたのは、2試合連続になった。
そもそも、指揮官の継投作戦がおかしい。
7回2死1塁、2番・横尾を迎えた場面で、それまで好投した辛島が球数102球で降板した。
報道によると、指揮官は「横尾は左投手に踏み込んでくるので(交代の)いい機会だと思った」という。
しかし、この日、横尾は三ゴ、空三振、遊ゴ。
辛島の前に全くタイミングが合っておらず、解説・永井怜さんもこの継投に疑問を呈していた。
本戦における辛島の左右打者別の成績でも、例年苦手な左打者には9打数3安打、1三振、2四球、2死球と数多くの出塁を許したのに対し、例年得意とする右打者は15打数2安打、1二塁打、2三振とよく抑えていた。
7回の残りアウト1個は辛島に任せて、継投は8回アタマから入るべきだったと思う。
はたして、指揮官の継投作戦は裏目に出た。
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