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【戦評】 動くロッテに動かない楽天~4月26日●楽天0-1ロッテ

得点力不足がもたらす過度な重圧

あまりにも1点が遠すぎた。

楽天打線は今季3度めの零敗。
ワースト2安打に封じられ、ロッテ先発・涌井に129球の完封勝利を許した。

1試合平均得点は3.14から3.00に下がった。
深刻すぎる得点力不足と出口の見えないチーム状況が、選手に過度な重圧をもたらしている。
プレッシャーから選手のパフォーマンスが固くなり、本領発揮できない場面、信じられない光景を多く見かけるようになった。

1点を追う5回無死3塁の場面は、そのことを如実に表すシーンだったと思う。

4回まで涌井の前にノーヒットに抑えられた楽天は、この回、先頭・今江が右翼フェンス直撃のスリーベース。
無死3塁の絶好機でバッターボックスは7番・オコエにまわっていた。

そのオコエは3回2死1塁、4番・井上の右中間フライを痛恨の守備ミス。
レフトを守る島井との連携不足でお見合いするかたちになり、グラブかすめて落球。
1塁走者の本塁生還を許すタイムリーエラーを犯した。(E0-1M)

5回無死3塁は、集中して打席に入るべき場面。
しかし、ミスを取り返すべく最低でも犠牲フライを打たなければならないという「ガチガチの義務的緊張感」で、ロッテバッテリーの思うツボにハマッた。

内角高めの初球ストレート、外角低めの2球目変化球。
対角線のクサイところを攻められ、いずれも手を出してのファウル。

そして迎えた3球目だった。
完全ボールの高め釣り球にあっさり手を出し、空三振に倒れた。

解説・松本匡史さんは、3球ともボール球だったことを指摘。
イケイケドンドンのオコエの特徴が、逆の形で噴出したシーンになった。

バントの達人・嶋のスクイズ失敗

この後、キャプテンマークも若手のミスをリカバーできず、スクイズ失敗している。

スクイズを察知した涌井が咄嗟の判断で外角低めにはずした低すぎる投球。

「(走者の)スタートが見えたのと嶋さんの構えが早かった。カウントを考えればあそこ。低めに投げた方が(バントは)やりにくい。最悪、ワンバウンドでいいと思った」と涌井。

梨田政権下でチーム最多7本のスクイズを決めてきた8番・嶋も対応できず、スクイズ空振りし、本塁突入した3塁走者・今江が三本間で憤死する事態になったのだ。

楽天打線は8回2死1塁からゲームセットまで、最後打者4人が連続三振。
最終9回に本戦最速148キロを計測してきた敵軍エースの「力と技がかみ合った投球術」の前に、終わってみれば、成す術なしだった。

両軍のスタメン

ロッテ=1番・荻野(中)、2番・平沢(右)、3番・中村(二)、4番・井上(一)、5番・鈴木(三)、6番・清田(左)、7番・福浦(指)、8番・田村(捕)、9番・藤岡(遊)、先発・涌井(右投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・茂木(遊)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(二)、6番・今江(一)、7番・オコエ(中)、8番・嶋(捕)、9番・島井(左)、先発・辛島(左投)

試合後の梨田監督、オコエの「異常発言」

試合後、梨田監督、オコエの発言が異常すぎて、我が目を疑った。

痛恨のエラーが決勝点になったことを悔いたオコエは「けがしてでもいくくいらい、いかなければと思う」と発言。
指揮官も「ぶつかってけがをしてでも捕る執念が欲しかった」と苦言を呈する事態になったのだ。

確かにあのエラーは拙い守備だった。
しかし、それを考慮しても「けがをしてでも」とは...

起用した使用者責任もあったはずだ。
レフトは1軍出場歴がほとんどない島井だった。
センターのオコエと共に外野を守った経験も少なく、そのなかで生まれた連携ミスは、ある意味で必然と言えた。

それに味方打線の得点力が通常の状態であれば、0-1の決勝点になるようなものではなく、ここまで大きくクローズアップされることもなかった。

極度の得点力不足が選手を追い詰め、1つのミスを致命的・決定的なものにし、采配をふるう指揮官からも正気を奪い去る。
そのため、、、

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