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【四戒(驚懼疑惑)】

連日の剣道(武士道)関連発信をしていきます。

今回は『四戒(驚懼疑惑)』について
お伝えしていきます。

四戒(驚懼疑惑)とは
四病(しびょう)とも呼ばれ
修行中に起こしてはならない戒めです。

意味は剣道の稽古時に
起こり得る状況で説明しています。


①驚(きょう)
 相手と対峙したときにびっくりして心が動揺すること

②懼(く)
 相手に対して怖いと感じること

③疑(ぎ)
 相手の動きに対して疑いの心が生じ、判断が鈍った状態で
 適切な処置ができないこと

④惑(わく)
 精神が混乱して素早い動作・判断ができないこと


剣道の稽古中大先生に
口酸っぱく指導されました。

相手と対峙していますが
本当は自分の心と対峙しています。

目の前に相手が存在していますが
あくまで形式上です。

私も試合に負けていた時は
四戒(驚懼疑惑)が作動していました。

相手に負けたのではなく
自分の心に負けていたのです。

なぜそのような状態に
陥ってしまうのでしょうか?


理由としては勝ちたい欲が強く出て
あれこれ詮索してしまうことにあります。

もちろん優勝という目標がかかっているので
そう簡単に勝ちたい欲を捨て去って
負ける訳にはいかないです。

逆説的ですが勝ちたい欲が出れば出るほど
全く勝てない状態になっていきます。

それが四戒の術中にハマっていることなのです。

勝ちたいと思うと正攻法で打突しなかったり
鍔迫り合いを長くして時間稼ぎをしてみたり
何でもありの方法を取るようになります。

これは相手に対して失礼であり
感謝・尊敬の念がありません。

もはや自分のエゴ丸出しです。

エゴ丸出しになっていく要因を
分析していくと四戒に辿り着きます。

詳しく掘り下げていくと

まず自分の心が平穏でないので
相手を見た瞬間に驚きます。

次に驚いた状態から動揺して
今度は恐れを抱くようになります。

そして恐怖心から打突したら
打たれるかもしれないという
疑念が出てきます。

最終的に精神が混乱して迷いが生じ
自分の技が素早く出せません。


ビデオで何度も繰り返し観たときは
技の部分だけ改善策を発見して
本当の要因を理解していませんでした。

であれば実践稽古で見つけるしかないと思い
稽古中ひたすら無心で取り組みました。

試合で勝つ目標は掲げても心に留めない
一試合ごとに自分の技を全力で出し切ろうと。

そうすると自然体で体が動くので
例え負けても次に活かせる内容になりました。


四戒は達人でも起こり得ます。
全日本剣道選手権大会6回優勝している
あの宮崎正裕先生でも陥っていたことが
あったと仰っています。

試合に勝ちだすと周囲からの期待や
プレッシャーがことごとく出てくるので
四戒の罠が出てきやすくなります。

四戒に打ち克つには自分の内側にある
心の誘惑をどう制御するかです。


四戒は剣道だけにかぎらず
日常生活、ビジネス、対人関係等
あらゆる場面でも出てきます。

ビジネスで言えば
新規開拓事業でジョイントベンチャーを
するとなった際に自分の保身に走り
相手のことを考えず的確な決断が
できなくなったりします。

真の敵は己の心にあります。

四戒に出くわしたとしても弱さを認め
受け入れて乗り越える鍛錬を積んでいけば
人格も磨かれていきます。

四戒を楽しむ余裕を持ちたいですね。

今日も読んでくださってありがとうございます。









 

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